表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第五章
91/154

89

3年生で習う言語は、チガヤ王国のものだ。

イチイはチガヤ王国の言葉を聞いたことがない、はずだ。


担当教諭が何を言っているか、わかる。

教本を見れば、読める。

書こうと思えば、何故か書ける。

どういうことだろう。



「何でだと思う?」


夕飯が終わり、お茶を淹れ、レンに訊ねた。


「そもそもイチイは、どこの出身だ?」


「あー・・・」


そこからだった。

イチイは未だに、レンに詳しい話をしていない。


「この世界でないところから?」


「・・・何故疑問形。国はイスフェリアではないのか?」


「日本」


「ニホン?」


「そう。イスフェリアでもチガヤでもなく、日本だよ」


この世界にはない国名。


「どうやって、イスフェリアに?」


「家を出たら、突然?」


「召喚されたのか?」


「そうかもしれない。前に見せた魔方陣、あれがあった」


「・・・・・・」


レンは黙って考えている。

本当に違う世界から召喚されたのか、考えているのだろう。

イチイを信じる信じないではない。

現実にありえるかありえないか、だ。


「魔法使いはいなかった?」


「居なかった。1週間待ったけど、誰も来なかった」


「魔方陣の場所は?」


「ハロンの山の中腹あたりかな。洞窟の中」


「・・・ハロンの山はイスフェリア王国とチガヤ王国の中間だ。魔法使いが両方の言語を使えるのかもしれない」







「・・・帰る、のか?」


「帰れるのならね。・・・帰りたいよ」


「そうか・・・」


帰る手段が見つかったら、帰る。


「わかった。夏にハロンの山で魔方陣を調べよう。そのあと、チガヤ王国へ行く」


夏。

夏に何か、進展するかもしれない。

進展すれば、別れが近い。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ