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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第五章
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待ちに待った3年生。

無詠唱可も楽しみだったのだが、いよいよ魔道具の授業が始まる。

この授業は基本的に、去年魔方陣の授業を受けた生徒が希望で受けるものだ。

勿論イチイは希望したし、トマやミカも希望してまたもや3人一緒である。



魔道具は、魔方陣もしくは精霊語を彫り込んだ道具、もしくは魔石を埋め込んだ道具である。

札や魔力の籠った武器なんかも魔道具に分類されるのだ。

そのため魔法剣に憧れる貴族の子息が、魔方陣の授業を取っていなかったにも拘わらず、急遽魔道具の授業に入り込んでくる。そのため魔道具のクラスは2クラスに分かれる。


イチイのクラスは魔道具の基礎から入った。

授業内容は魔法陣の授業とほぼ同じ、魔方陣を描く場所が紙ではなく道具になっただけだ。

なので魔方陣+工作の授業といった感じである。

基礎は1つの道具に1つの魔方陣。

これは店で使っているコースターに、熱の魔方陣を描いてあるので既にやっている。

魔道具の授業では1つの道具に複数の魔方陣を描く。

尚且つ発動条件や発動の順番をつけるなど、応用していき、魔道具を作るのだ。


理論上では、例えばコースターに魔方陣を2つ描く。

置かれたカップが陶器なら保温、熱魔法の魔方陣が発動し、ガラス製なら氷魔法の魔方陣が発動するようにする、などである。

そのためには2つの魔方陣を描く技術も必要だし、陶器かガラスかを判別する為の魔方陣か精霊語が必要だ。


イチイが作りたいものはオーブン、全自動泡立て器や捏ね機、冷蔵庫や冷凍庫である。

それを稼働するための魔力をストックする道具も欲しい。

自家発電機か電池といったところだ。

それさえあれば自販機がかなり楽になるし、魔力の扱いが苦手なスーも楽になるだろう。


魔力の籠った石、即ち魔石はものすごく高い。

そしてこれは属性が定まっているから、魔法剣には良いかも知れないが、道具には些か使い勝手が悪いのだ。

そこでイチイは無属性の魔石がほしいと考える。

魔方陣に連動する魔石。純粋に魔力のみを供給したいのだ。

もしくは転移の魔法陣ですべてをつなぎ、離れた場所から一度で魔力を供給するか。

理論上はどちらも可能である。机上の空論というやつではあるが。

トマとミカ、担当教諭は面白いと賛同してくれたので、1年間みっちりこれの研究をする予定だ。

自分の家で使うだけなら魔力の供給も簡単だし、オーブンや冷蔵庫は製造可能だろうと、こちらも併用して行う。


授業は3時間もあるので、かなり進んだように思う。

魔方陣は去年やっているメンバーなので理解も早いのだ。

もう一方のクラスは各々剣を持参し、早速彫り始めているそうだ。

目標は半年で1本だそうで、精霊語は一文字ずつ彫り直しが効くし、飽き易い貴族の坊ちゃんは基礎から練習しているとすぐに投げてしまうのだそうだ。

投げない人間は去年から魔方陣やってるだろうということで。



予想通りというか何というか、そちらにはブラックマンがいるようだ。

違うクラスで良かったと、心底思うイチイだった。







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