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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第一章
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7・ニトロプリア傍の森

いきなりですが、ピンチです。







5日目になり、森へ突入。此処を抜ければ街はすぐそこ。

森は今までと違うモンスターが出現し、少々難易度が上がる。

とはいってもイチイ以外5人の実力があれば余裕、といったレベルだ。



・・・と、言っていた。

実際途中までは余裕だった。

そう、普段生息していないらしい上級モンスターが現れたのだ。

この上級モンスターの弱点は雷らしく、全員で立ち向かってみたものの、全く歯が立たず。

刃物を通さない強固な鱗に覆われているのだ。

少しでも生きて逃げる可能性を上げるため、散り散りに逃げた。

イチイも馬の上の荷物をひったくり、走った。

馬は一行の中で若い方から2人、クライスとコヅが乗った。森の中で道も悪く、荷物もあるし、馬も怯えて暴走しがちなので2人乗りは難しい。だから代表して2人が街へ助けを呼びに行くのだ。イチイが女だし若いから気を遣ってくれたのだろう。馬に乗れと言われたが、イチイの馬ではないしそういう訳にもいかない。断った。

助けが来るころには手遅れの可能性が高いが、他の旅人や冒険者がいるかもしれないのでいずれにせよ行かなければならない。

走っている3人のうちの弓遣いのボルフが矢を放ち、それに苛立ったモンスターがボルフを追う。

そして木の根に躓いた。追いつかれる。

咄嗟に、そう咄嗟に。

イチイはハロンの山で使っていたパチンコで、石を撃った。

そして追いかけっこが始まったのである。

森や山を走ることに慣れていて素早いイチイと、木を薙倒しながら追いかけてくるのでそこまでスピードはないモンスター。

スピードはほぼ互角。スタミナが先に切れるであろうイチイの方が不利だ。

何か手を考えないと、確実に殺られる。

天気は快晴、雨の気配はない。

間違っても雷など落ちない。

勿論イチイに魔法など使えるわけもない。

何か使えるものは。

火はある。が、小さい。

アルコールやガスがあればまだどうにかなったかもしれないが、そんなもの持ち合わせていない。

武器はあるものの、歯が立たない。

柔らかそうな部位を狙う、これはありかもしれない。

眼球と口の中という狭い範囲ではあるが。

っていうかこれしか思い付かない。どうしようもない。

殺られるにしても、少しぐらい傷つけてやろう。

タダで死ぬなんてまっぴらごめんだ。

そう思うと妙に落ち着いた。

比較的足場の良い場所で、槍を構え、迎え討つ。




せめて、時間稼ぎを。


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