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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第五章
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元の世界でいえば2月になったので、バレンタインデーがやってくる。

マロンフェアからカカオフェアに変更だ。


校内の自販機はガトーショコラ、カカオシフォンなどを入れる。

校外の自販機はクッキーやブラウニーにした。

店舗にはカカオロール、生チョコ、ショコラマカロン、チョコレートムース、ザッハトルテなどをメニューに加えた。


効果があるとは思えないが、遠い異国ではバレンタインに女の子がカカオを贈る風習があると黒板に書き込んだ。

好きな人はもちろん、お世話になっている人、友達にも、と自販機にもチラシを貼った。

それに伴いバレンタイン向けカカオ菓子を強化。


自分用かプレゼント用かわからないが、カカオ菓子を買う女性が割と目立った。

フォードさんはカカオのホールケーキを購入してくれた。

またこの期間は小ぶりのカカオケーキも用意。

こちらもなかなかの売れ行きだ。


『イチイ』


『ディア、こんにちは』


『ゼラチンを持って来た。魔方陣は?』


『ありがとう。お願い』


ディアにゼラチンを貰い、魔方陣を渡す。

1枚目は失敗しており、これは2枚目だ。

ロウェナのお土産としてカカオ菓子を預ける。


『前回のマロンパイ、とても喜んでいた』


『良かった』


ヘーリング言語も以前に比べればスムーズだ。


『魔方陣が完成すればこちらにも自販機を設置すれば良い。手続きは代行するから問題ない』


『いいの?』


『あぁ。義姉上も気にいってるし、城の侍女たちもイチイのお菓子が好きなんだそうだ』


『助かる。ありがとう』


税率も2割なのでイスフェリアと同じだ。

暑い国なので温度が気になるところではあるが。


『管理は私がしよう。温度に関しては注意書きを作っておく』


ディアは魔法使いらしいので、魔力については問題ない。

何だかとんとん拍子すぎてそのうちどでかい落とし穴がありそうだ。


今はスーとイチイだけで製造は追い付いているが、そろそろもう一人くらい製造の出来る人間が欲しいところだ。

一番良いのはトマなのだが、料理人だったり菓子職人だったりは、貴族のする仕事ではない。

トマがやりたいなら別だが、そうでもないのにこちらからお願いするわけにもいかないのだ。

そもそも給金が出せないのに人は雇えないんだけど。


ここ2ヶ月の売上が金貨約10枚とかなり上がったので、残るところ約120枚。

今月も今のところ順調だし、3年の途中で返せそうだ。

ヘーリングに出店出来ればさらに早いだろう。

今のうちに人を雇うのもありか。

返済は400枚貯まってからなので、手元に金貨はあるのだ。

時間数も短いし1人雇うのに銀貨10枚も掛からないだろう。

雇った方が将来的には早く返済も出来るんじゃないだろうか。

皆に甘えっぱなしで申し訳ないが、いいひとがいたら雇うことにしよう。

4人には給金がなく物資支給たべほうだいなのに、悪い気もするが。






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