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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第五章
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クリスマスだ。

イチイの気分的に、であるが。



元の世界ならば今月は12月にあたる。

半ばの今頃になれば日本中がクリスマス一色。

ご近所さんの庭はクリスマスイルミネーションで彩られ、街を歩けばツリーだらけ。

さてイチイが何故それを思い出したかというと、目の前にクロカンブッシュがあるからである。




今日は初めてスーにシューの作り方を教えた。

一緒に作った分はカスターを詰め、イートイン用と試食用に回した。

ではスーが一人で作ってみよう、となったのだが・・・。

簡単な話、あまり膨らまなかったり、へしゃげていたりと使えなかったのである。

シューが大好きなスーは半泣きで頑張った。

頑張ったがしかしなかなか出来ず、何度も作り直した結果、膨大な量のシューになったのだ。

形は悪いが食べられないわけでもない。


そこで思いついたのがクロカンブッシュである。

飴でシューを積み重ねてツリー型にする。

本来ウェディングケーキであるはずなのだが、見た目からはクリスマスが連想される。

初めてするシューのツリーにスーとトマは喜んだ。

・・・子供は好きそうだ。


考えた結果、固定魔法をかけ、ディスプレイにすることにした。

ついでなのでイートインはシュークリームフェアだ。

カスタードシュー、エクレア、白鳥の形のシーニュ、苺入りのパリブレストなどである。




どうせなら、もっとクリスマスにしてしまおうか。


苺のデコレーションケーキ、ブッシュ・ド・ノエル、クッキーで作るお菓子の家、メレンゲ細工でサンタクロースやトナカイ、ツリー。


「うん、クリスマスっぽい」


「クリスマス?」


「そう、クリスマス。私の故郷くにではクリスマスってイベントがあったんだ」


日本ではキリストの誕生日っていうかもうイベントだよね。

家族とか恋人の一大イベント。


「ツリーを飾ってケーキ食べて、プレゼント貰って」


サンタという名の両親からのプレゼントは小学校のとき、椿がサンタの存在を信じなくなってから終わったが。


「ケーキ」


「そう、こういうの」


苺のデコレーションケーキとブッシュ・ド・ノエル。

小学校の時はデコレーションケーキだったが、中学からは椿の希望でブッシュ・ド・ノエルだった。


クリスマスには小さなブッシュ・ド・ノエルをイートインメニューに加えようか。


「次はスポンジを焼いてみようか」


「はい!」


嬉しそうなスーの頭をぐりぐりと撫でる。

11歳のときってこんな小さかったっけ。

いや、私はすでに150オーバーだったな、とイチイは思った。

たぶんスーは140ないぞ。


「どうせならモミの木とか柊とかリースとか・・・クリスマスするか」











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