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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第五章
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前回の実習で10チーム中4チームが不可だったらしい。

そのため今回は不可のチームのメンバーを上手く織り交ぜたようだ。

イチイのグループは攻撃にブラックマンとバッツという、前回の不可グループメンバーが混じっている。他は友人たちで、攻撃にヘレン、補助にトマ、回復でイチイだ。

面倒なことになりそうな予感がする。



今回は最後の出発で、30分おきに10チーム、5時間近くタイムラグがあるため、向かう途中にもう終った生徒とすれ違ってしまう。

その中にミカがいて、ブラックマンを視覚した途端、同情の籠った目線を向けられた。

あ、わかってくれますか?


途切れないブラックマンの自慢話にヘレンが相槌をうつ。

ヘレンは始終笑顔だったが、目が笑っていない。

何故気付かないんだ、ブラックマン。

イチイは少し離れたところから様子を窺う。

トマとバッツも同じように距離を保っている。


「うへぇ、ブラックマンさん、よく気付かないなぁ、アレに」


「確かに。鈍いんだねー」


「鈍いで済ませて良いのか?」


バッツ・ディ・リフレクトは話したこともないし、顔も覚えてなかったが、イチイと同じクラスらしかった。

「ディ」の人間と交流をもつのは入学して1年以上経つのに初めてである。


休憩なしで歩き続けたため、3時間と掛からず目的地に着いた。

今回もサイモンが立っていた。


「右に進んでください」


どうやら右には他のグループがいないらしい。

言われた通りに右に進んでいくと程なく獣型モンスターが現れた。


すぐにブラックマンが火魔法で迎え討つ。

しかしスピードのある獣型に、火の玉は中々命中しない。

詠唱も発現も問題なく、命中率は悪いものの腕はそう悪くない。

イチイの見解だ。

ただ問題があるとすれば――――。


「くそ、魔力切れだ!オイ、回復係、早く回復しろ!」


頭が悪いんだな。

学習能力がないというか。


命中しないのに命中するまで魔法連発して魔力切れして回復させてそのうち回復係も魔力切れして全員共倒れ。


「阿呆か!」


思わず突っ込む。

ブラックマンには聞こえてなかったみたいだが。

いっその事手元狂った振りしてヤっちゃうか?


幸いイチイの魔力は底知れず。

命中するまで回復してやるか?

そのうち時間切れになりそうではあるが。

まぁとにかく回復して、獣型の足止めをしてやれば良いか。


「早く回復しろ、この落ちこぼれ!」


「・・・うぜぇ」


とりあえず回復だけしてやって、様子をみる。

そしてまた魔力切れ。


補助をするはずであるトマも、ポカーンとブラックマンを見てる。



「よし」


気を取り直して。


「トマ、足止めを、バッツ、ヘレン、止めさして素材剥いで」


「おい、早く回復しろ!」


「・・・あぁ、すいません、魔力切れです」


嘘だけど。


「嘘をつくな!」


「3人とも早くして」


3人は素晴らしい連携プレーで1人一匹倒し、素材を剥いでいく。


「さて、回復してあげますよ」


ブラックマンに回復薬を投げ、イチイは魔力を練る。




あれだよね、命中するのを待つくらいなら、対象の魔物全部、先に狩っちゃえば良いんだよね。




ブラックマンが必死に火の玉を投げている横で、イチイは追撃型の炎の矢で獣型を一匹残らず追撃した。



「あれ、獣型、全滅ですね。しょうがないですし素材剥いで帰りましょう」


うん、最後で良かった。




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