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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第五章
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いよいよヒツジ菓子店オープンである。

センスがないっていうな。



オープンとは言っても割とひっそりとしたものである。

自販機にチラシは貼っておいたものの、あまり派手なものではないし、この世界は新店だ、じゃあ行ってみよう、という雰囲気はない。

じわじわ客足が増えていく、といった感じで信用第一なのだ。


自販機の熱心な常連さんがちらほら、興味深そうにやって来たり、他店の代表が偵察?に来ていたり。

あとは知り合いがほとんどだ。


まぁそれくらいでないとスタッフはイチイの他にスーとトマとミカだけなので回らなくなる。

テイクアウトのレジはミカに任せ、トマが店内、スーが厨房。イチイは厨房と店内を行ったり来たり。


珍しいお客さんも来た。


「兄上!」


「よ。これ祝い」


「ありがと、ロニ」


籠に入った、ガラス細工のフラワーアレンジメントだ。


「早速盛況してますね。流石イチイ」


「おねぇちゃん、すごーい」


店内にはミレイユやサイモンといった教諭、ヘレンたち、マーサたちもいる。


「軽食もやってるんだな。俺たちも食べて行こう」


ロニとナッティ、ノアは窓際の席に座り、それぞれ注文する。


「ノア、美味しい?」


「うん!とまも、おねぇちゃんも、いっしょにたべよ?」


「うーん、あとでね?」


「えー!」


流石に今は抜けられない状況だ。

3人は城下に泊まるらしいので、夜にまた会う約束を取りつけておく。

ノアもそれで機嫌を直す。



「イチイ!」


「クライスさん」


「開店おめでとう。城下に用事があって、寄ってみたんだ。これ、祝い」


「ありがとう」


無理やり用事作ったくせに、とコヅが呟いたがイチイには聞こえない。


イチイと親しそうに話すクライスに、段々とロニの機嫌が悪くなる。

それに苦笑いを溢すナッティ。


こっそり裏からその様子を見てこちらも不機嫌なレン。

因みにオースティンの視線も突き刺さる。


それらの様子を見て面白い、もっと増えないかなと楽しそうなのはトマである。

誰1人イチイに想いが伝わってないのが面白い。

イチイは恋愛にとことん興味がないらしく、鈍いというよりも考えてないのだ。

今度イチイに誰が一番好みか聞いてみよう。

1人蚊帳の外、面白がるトマだった。



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