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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第五章
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毎月末にテストがあると、常にテストを受けている気がする。

正直面倒だ。その分力はつくのだろうが。


夏期休暇にヘーリング王国へ連れて行ってもらっているしと奮起したので、語学の手応えはバッチリだ。自己採点では満点。

他の筆記もいつも通り上々。

体術のトーナメントも良い結果が残せた。


翌朝、掲示板に実習グループが提示された。

仕組まれたのかと思う程友人グループになっていた。


攻撃担当でトマ・マーサ・スー。補助でメグ、回復でイチイ。

イチイの目線で実用実技トップクラスは、ミカ・ヘレン・カトレア・リンク・オースティンなので、予想通りこの5人はバラバラのグループのようだった。

そうしないとグループのバランスが取りづらい。


イチイの今回のグループはイチイとトマ以外は体力がないのが弱点だ。休憩を多く取ることを念頭におく。

魔法の実力は割と安定しているので特に問題はないだろう。




今回の演習コースはいつもと逆方向に進むだけで、モンスターレベルは少し上がるだけだ。

グループ発表が当日なので、即席のコミュニケーションや初めて担当教諭がついて来ないというシュチュエーションを試すのだろう。

要所要所に担当教諭はいるが、ずっとついているわけではないので不安な生徒も多いだろう。卒業後はそういうわけにはいかないので、慣れるしかない。


目的はポイントにいるモンスターの、素材を剥いで持ち帰ることだ。

初心者冒険者の登竜門といった感じのレベルで、落ち着いて戦えば怪我人も出ないだろう。


午前中から各グループ時間差で出発し、昼食は自由、時間制限は夕暮れまでとなっている。

イチイはお腹が空けば狩りをしようと、オヤツ程度しか持って来ていない。

珍しく得物は一つ、あとは回復薬や傷薬を少々、麻袋数枚といった軽装である。

いざとなれば体力がない生徒の荷物持ちをしようと思っているので、学校に置いてきたのである。



イチイたちグループは1番目の出発だった。

いつもと逆方向、獣道を歩く。

毎年同じルートなのだろう、歩きやすい。

スライムや虫型を倒しながら森を進む。

基本的に3人が攻撃魔法を繰り出し、メグが虫型の毒から防御し、イチイは回復・・・することもなく、とりあえず果物や木の実、薬草の収集を行う。

・・・だって誰も怪我しない。




「そろそろ休憩しよう」


1時間程歩き開けた場所に出たので、休憩を入れる。

マーサとスーは早くも顔に疲れが滲んでいる。


「あなたはっ・・・いいですわよねっ!すること、なくてっ・・・」


疲れてるなら悪態つかなきゃいいのに。

そう思いながらもイチイはマーサに回復薬を渡す。

スーには癒しの魔法を掛けた。


摘んだハーブでハーブティを淹れ、緑魔法で作ったカップにいれ全員に回す。

疲労回復の効果があるハーブティだ。


「そうだね。マーサたちが優秀だから、私のすることがないね。精々休憩用のオヤツでも収穫してるよ。皆お昼は?」


「うーん・・・空いてるけど、普通に食べると体が重くならない?特に今回は戦闘がメインだし」


「じゃあ休憩のときに軽く食べる感じにしようか。皆は休んでて、何か取ってくる」


イチイは立ち上がり、森の中に姿を消した。

捌かれた鶉を手にして戻る。

串焼きにして1人1本、それから果物を少し食べて休憩は終了。



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