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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第四章
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朝食は黄粉餅とカレースープという不思議な組み合わせだった。

・・・正直、会わないと思うんだ。


午前中は海へ散歩へ行き、浜で昼食、お姉さんのところへは午後からいく。お茶会に招待されているらしい。


浜へ行くと水着姿の子供たちがたくさんいた。

銛を持っている。

近づくとサザエやアワビ、スズキ・アジ・マナガツオなんかを見せてくれる。

うん、何て不思議な組み合わせ。

もう気にしないことにしよう。

子供たちの両親はこの魚や貝を焼いて売っているようだ。


「レン、お昼これにしよ」


イチイは魚介類が大好きだ。

というか好き嫌いはない。何でも好きだ。


生と焼きと選べるらしく、数種類を半々で食べる。

調味料は塩か魚醤かチャイン(柑橘系の果物)だ。


「美味しい!海が近いって良いね」


「イチイは魚介が好きだな」


「うん!」


ロハは割と海が近かったが、ニトロプリアも城下町も川しかなく、海の魚を食べるのは久々だ。

持って帰れるならアジはタタキにしたい。味噌を混ぜて焼くのも良い。

マナガツオは刺身も焼き魚も良いし、スズキはアライにしたい。

サザエは今壺焼と刺身で食べてるけど、炊き込みご飯も良い。

アワビは高級食材なので今食べている刺身と焼きくらいしか思い付かないけど。


「最終日にまた寄ろう。保存魔法を掛けて持って帰れば良い」


「そうだね!」


アジとマナガツオとサザエは特に買って帰りたい。


昼食を終え、宿に戻る。

お祝いを持って、お姉さんのところに行くのだ。


「レン、ここって・・・」


「城だ。会場は中庭らしい」


レンのお姉さんって何者。



「レン!」


紺色の髪、水色の瞳の美少女だ。

腕の中にはかわいらしい赤ん坊が寝息を立てている。


「お久しぶりです、姉上。・・・おめでとうございます」


「ふふ、ありがとう」


レンがお祝いを控えている侍女に渡す。


「・・・あら、そちらの方は?」


「初めまして、弟子のイチイ・ディ・プリアレストと申します。この度は誠におめでとうございます。こちらささやかなものですが」


イチイからのお祝いはチーズケーキである。

お祝いにチーズケーキってどうなんだと思ったものの、レンの強力なプッシュにより何故かチーズケーキになってしまった。

イスフェリアではチーズは貴重なので、高価なものではあるが。


「ありがとう。あら、ケーキなのね。今から皆で頂きましょう」


侍女が切り分け、配る。

テーブルについているのはロウェナ・レン・イチイと青年が一人。

旦那さんだろうか。


「すごく美味しいわ!貴方お菓子屋さんなの?」


「はい。ヒツジ商会の代表を務めています」


代表も何も1人しかいないのだが。


「まぁ!イスフェリアに行ったらぜひお店に伺うわ!わたくしチーズが大好きなの!」


それでチーズケーキ。納得いった。


それまで一言も喋らなかった青年が、突然立ち上がった。

そして徐にイチイの手を握った。

早口で何かを捲くし立て始めるが、何を言ってるのかさっぱりだ。

・・・すいません、イスフェリア語でお願いします。








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