表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第一章
7/154

ロハの町、最後の朝食は豪華だった。

リーアとミィのおとうさんが、最後だからと腕を奮ってくれたのだ。

ふたりとよく遊びに行ったので、そのお礼らしい。

今までここまで遊んでくれた旅人はいない、ということだった。

・・・精神年齢が低いんだろうか。普通に楽しんでたし。

この世界で初の牛肉は外側が焼かれ、中は半生。ローストビーフだった。

付け合わせにマッシュポテト、野菜スープはトマト味、キノコと海老が入っていた。

海老も初だ。ふたり初めて会ったあの池に生息する小さな海老だ。殻ごと食べられるらしい。

主食はいつもの薄焼パンだが蜂蜜のおまけがついていた。

お弁当としてローストビーフサンドと甘辛チキンのサンドまでもらってしまった。

リーアとミィにまた遊びに来るね、今度はお土産も持ってくるからねと約束して出発。

リーアは涙目、ミィは大泣きして大変だった。かわいい。



そして現在、何故か冒険者一行に加わっている。

広場でリーアに声をかけられ、イチイがひとりだと知って合流してくれたのだ。

優しい!親切・・・!


冒険者一行は5名。馬は2頭で、乗るためというよりは荷物運び用らしい。

「そんで、ニトロプリアは麺がウマイ」

その中の1人であるクライスさんと話が弾む。

ガタイの良い20歳くらいのお兄さんで、食べることが大好きらしい。

「麺!どんな麺なんですか?」

イチイは麺好きだ。米もパンも好きだけど。

「細長くて、汁に漬かっている。その汁を飲みながら麺を食べるのがウマイんだ」

細長いというと、ラーメン、ちゃんぽん、そばあたりが浮かぶ。

それともフォー?ビーフン?

汁っていうと何か微妙だ。スープって言って欲しいな。言わないけど。

「原料は?汁の味は?」

「スープは塩と魚介の味だな・・・麺は・・・麦、か?」

曖昧だけど、塩ラーメンに近そうだ。

「あとはなー、薄焼じゃないパンもある。ロハのは一枚ずつ薄く焼いてるけどな、ニトロプリアのは大きい塊を焼いて薄く切るんだ。厚切りもあって食べでがある」

この世界のパンはミルクの入ってないものが主らしい。要するにフランスパン的な。

ただロハのパンはナンに近い感じがした。原料製法はわからないが。

「ついたら麺食おうぜ、一番うまい店に案内するし」

「ぜひ!お願いします!」

「・・・お前ら食い物の話ばっかだなぁ」

年長でありリーダーであるフィンが呆れてため息を吐く。

「食は基本ですから。人が一生で食べられる量は決まってます。それなら美味しいもの食べたいじゃないですか」

「そうですよ!うまいもんくわねぇと元気もでないですって!」

「・・・クライスがふたりいるみてぇだな」


ロハから西。ニトロプリアまで7日の道のり。

ロハはニトロプリアの貴族の領地で、同じ領地だと比較的道は均されている。

モンスターの侵入を防ぐ魔道具はとても高価らしく、よほど金持ちの領地なら街道にもあったりするが、その他は人の住んでいるところだけに利用されているらしい。

ロハ、ニトロプリア間のモンスターは比較的弱いらしく、イチイの訓練のために半分ほど、イチイが戦闘を担当した。

その甲斐あってか、わりと動かせるようになった。

冒険者一行は4人が長剣、1人が弓矢なので教えてもらうのは不可能。

習うより慣れろ、だ。

出現モンスターはスライムがほとんど。スライムは中心にある核を傷つければ溶けていく。

そのあとには大抵穴あきの銅貨が残った。イチイが倒した分はすべてイチイにくれる。ありがたい。

夜は3人ずつ交代で睡眠をとった。5時間ずつ眠る。

夜は夜行性の蝙蝠型モンスターが出現し、銅貨を落とすので割と稼げた。ごくたまに銀貨を落とすのが嬉しい。

飛行型モンスターは槍で攻撃しやすいのも良かった。

そしてこのモンスター、なんと素材を集めることが出来るという。

詳しく判明していないらしいが、死亡後即消滅するモンスターとタイムラグがあるモンスターがいるらしい。

そしてタイムラグがある方のモンスターは牙や爪、羽などを剥ぎ取れるという。此れを集めて売るとお金になる、ということだ。素材は剥ぎ取ると何故か消滅せず、残るらしい。モンハンか。

蝙蝠型は羽と牙がとれる。弱いモンスターなので安価らしいが買い取ってくれる。

クライスがお古の、採取用ナイフとやらをくれた。

慣れると普通のナイフより剥ぎ取りが素早く簡単!らしい。


こうして順調に旅は続く。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ