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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第四章
69/154

67・ヘーリング王国城下町

石造りと木造の混同した賑やかな街。

原色が溢れ、太鼓のような音楽が絶えず聞こえる。

褐色の肌で金髪金眼の人とイスフェリアと同じ金髪碧眼の人が半々くらい。

男性も女性も服の布地が少ない。

暑いからだ。

イチイのイメージでは東南アジアの海の綺麗な観光地。


イチイは語学留学基レンの付添でヘーリング王国城下町に来ていた。

城下町で一番良い宿を取り、街中を探索する。

この国でも中央に広場があり、そこに屋台が出ていた。

凍らせた果実を売る屋台、かき氷もどきを売る屋台、ヤシの実ジュースを売る屋台、塩焼きそばを売る屋台・・・イチイの目につくのは食べ物屋台ばかりである。

目に入らないだけで貝殻や珊瑚、ターコイズのアクセサリーを売る出店などもある。


「レン、塩焼きそば食べて氷食べよう!」


「ちゃんとヘーリング語で話しかけるように」


「・・・そうだった」


しどろもどろしながらも、屋台のおばちゃんとコミュニケーションを取りながら塩焼きそばを購入。

通貨は大陸共通なので両替の必要はない。


「塩焼きそば!買えた!パラソル行こう!」


噴水のそばのパラソルで塩焼きそばを食べる。

イカが入っていて、味付けもシーフードっぽい。魚醤のようなものがあるかもしれない。

かき氷もどきはシロップが掛かっていて、白玉やフルーツが添えてある。

台湾かどこかのかき氷のようだ。

白玉があるなら白玉粉が売っている可能性が高い。

帰る日に食料品店に行こう。食べ物はぎりぎりの方が良いだろう。


ヘレンたちのお土産にアクセサリーを買う。珊瑚を使った髪飾りだ。

他の人たちのお土産は基本的に食べ物なので今日は買わない。

明日はレンのお姉さんに会いに行く日なので、今日は早めに宿に戻る。

夕食は宿で取るのだ。


同じ部屋なので、湯浴みは一人ずつになる。

交代で湯浴みをして、部屋で寛ぐ。

この宿は旅館みたいに部屋食が出来るらしい。


用意された料理は郷土料理のようだ。

カレー味の筍の前菜、バンバンジーのようなサラダ、スープはトムヤンクン風、メインは北京ダック風(でも春餅ではなくサンチュだった)、そして主食が何故か雑煮、デザートがナタデココとゼリーの入ったフルーツポンチだった。

不思議な組み合わせである。


「ゼリーってことはゼラチンがある筈!調味料も買って帰ろう」


ゼラチンは勿論、糯米とナタデココ、カラ味噌、ごま、カレー粉、魚醤などなど、色々仕入れて帰ろう。おかずのレパートリーも増えるし、和菓子も色々増やせる。

ゼラチンはゼリーの他にもムースやババロアの冷菓が作れる。自販機ではなく店の方でそういったものを出すのも良いだろう。楽しみだ。


「レン、連れて来てくれてありがとう!」


この恩はきっと、月末テストの語学の点数で返します。




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