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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第四章
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カカオ系のお菓子の新商品を作ろうと、スーと一緒に試作することにした。

何故かそれを聞きつけたトマとミカが参加することになり、なし崩し的な感じでミカにまでレンと暮らしていることがばれた。

まぁヘレンにばれるよりは断然楽であろう。



「今日はパウンドケーキを作る」


スーが一生懸命、ノートにパウンドケーキと綴る。

いつもなら言語の壁が厚いのだが、今日はミカがいるのでいざとなったら頼れば良い。


「バター、卵、砂糖は前回と同じ。粉類は配合を変更、カカオパウダーを入れてその分小麦粉を減らす」


スーがメモをするのを待つので、ゆっくり出来るところはゆっくり進む。

手を止めるとよくないところでは、メモは後回しにしてもらう。


「作り方は前回と同じ。今回は生地が出来上がった最後に、このチップをさっくりと混ぜ込む」


要するにココア生地のチョコチップ入りなのだ。

前回もスーとプレーンのパウンドケーキを作っている。

パウンドケーキは割と初心者向けだと思っているのでちょうど良いのだ。


「というわけで、スー、やってみて」


「!?」


たまにはスパルタも必要だと思うんだ。




要所要所でスーを見ながら、自身も菓子を作っていく。

折角4人集まっているのでトマが食べたがっていたプリンでも作ろうと思ったのだ。

人手があるので焼成も余裕だ。



無事生地が出来上がったので、焼成に入る。

箱を用意して空間魔法で内側を囲い、熱魔法を使い、焼き上げる。

空間魔法はミカ、熱魔法をトマに任せる。

イチイも同じく空間魔法・熱魔法を使い湯煎にかけたプリンを焼き上げる。

その間にスーはメモを取る。

注意されたこと、コツ、アレンジなど。

スーは魔法の持続が長くないため、長時間焼く菓子はまだ焼けないのだ。


魔道具の作り方を早く覚えてオーブンを作りたい。

そうしたら数種類の菓子が一度に作れるようになるだろう。



パウンドケーキは網の上で自然に冷まし、プリンは熱魔法の応用でさっと冷やしてしまう。

プリンは今からオヤツとして頂くのだ。

プリンには牛乳だと信じて疑わないイチイは、全員分の牛乳を注ぐ。

トマはプリンが大好きなので大喜びだ。

スーも甘いものは好きなので喜んでいる。


「そういえばミカ様は甘いもの平気ですか?」


「あぁ。面白いな、これ」


確かに初めて食べると面白い食感だ。

今のところゼリーも見かけないので、似ているものと言えばクラゲだろうか?


「この茶色の部分が良い」


「カラメルですね。ほろ苦いのが好きですか?」


「そうかもしれない」


「スーも、これ作りたい」


「そうだね、今度作ろう。他にも菓子はたくさんあるし、色々作ろう」


折角なのでカカオを使う菓子を色々作っていきたいものだ。


パウンドケーキが冷めたので切り分けて試食する。


「うん、美味しい。一晩おくともっと美味しくなるからね、明日保存魔法を掛けよう」


その後でパック包装して自販機に補充するのだ。


今は手がふたつ(イチイ・スー)、オーブンひとつ(イチイ)なので同じ種類の味違いしか出来ないが、そのうちもっと効率良く作業出来るようになるだろう。

作業効率が上がればもうひとつ自販機を増やしても良いかも知れない。

今のうちから良い場所を探してみようかな。





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