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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第四章
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転移の魔方陣を習った。

習ったと言っても、自主学習に近い。

最初の一月は黒板に描かれた魔方陣を各自試していった。

それをすべてクリア出来たらもう一回、今度は普通のペンや紙で試していく。

大抵の生徒はここで引っ掛かり、すべて出来るようになるまで繰り返す。


ほんの一握り、魔方陣の授業を選んだ10数名のうちの3名。

この3名だけ好きな教材を選び、好きに試して良いことになっていた。

好きな教材と言っても、クロケッタが用意したものなので危険なものはないはずだ。

巡回するクロケッタを捕まえて成果をみてもらったり、アドバイスをもらう。


偶然にもその3人は顔見知りだった。というより友達だった。

トマ・ミカ・イチイである。


決められた席順が遠かったため、話は出来なかったが、今は3人一纏めにされているため、話合いながら試していく。



「だからね、転移の魔方陣が描けるようになれば良いと思う」



転移の魔方陣は、現時点では物質の運搬のみになっている。

生物は転移出来ない。その仕組みさえ、明らかになっていないのだ。


「確かにあれば便利だけど、先は長いよ」


「そうだ。それにその前にやることがあるだろう」


「いいのいいの!2人とも若いんだから夢持ってよ!」


一番若いトマに言われたくないなと、イチイは思った。



「とにかく、物質の転移から試してみよう」


物質の転移は魔方陣を二つ使う。

1つから1つへと流すのだ。

距離が遠ければ遠いほど難しいし、容量の大きさも関係してくる。


「うん!まずはイチイのお菓子を家から寮の距離を運べれば良いと思うんだ!」


「そこなの!?売上貢献してよ、金持ちなんだから・・・」


「してるよ~。でも種類少ないし。プリンとかシュークリームとか食べたいのに」


基本的に常温で食べられるものしか自販機には入れないことにしている。


「・・・売上貢献とは、何の話だ?」


「「あ」」










5,6回描き直してやっと、机から机の距離の魔方陣が完成した。

お手本があるので形はミスしにくいが、一発描きではならないので、一度間違えるとやり直しだ。

それにこの部分で魔力をどれだけ、とかこの部分で魔力の流れを逆方向、とか、中々細かい。

家から寮だなんて、どれだけの労力になるだろう。

一度描けば保存は出来るので頑張ってみよう。

一方通行ではなく交互通行ならばFAXのように使えるので便利である。

大型の荷物が運べるならば、ニトロプリアやロハ、ホルンにもあるとさらに便利だ。

商品の流通に役立ちそうなのでぜひ覚えたい。

とりあえずこの計画はトマを巻き込むことにしよう。



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