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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第四章
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47・菓子事情

この世界で高いものは乳製品。

牛乳・クリーム・バター・チーズなど。

乳製品が高いうちは菓子の大半が高価なままで、それ故に貴族が中心となってしまう。

酪農が盛んになれば乳製品の価格は下がるだろうが、今のところ酪農家は少なく、そのため価格沸騰してしまうという状況だ。

お金があれば出資して自分の牧場を持つのも良いかもしれない。



パウンドケーキやマドレーヌ、フィナンシェといったバターケーキの類は人気だし、ある程度安定した収入を得るためには外せないラインナップだ。

それらがあるからこそ、比べてみて冒険してみようという人間が増える。

そうなるように、飴やメレンゲ菓子といった見慣れたものではなく、シフォンケーキやダッコワーズという初めてみるものを導入したのだ。


ダッコワーズもメレンゲ菓子であるが、こちらで見かけたことはなく、平民向けと貴族向けを合わせたものを販売することで貴族が乳製品を使わない菓子への偏見を捨ててくれば、という狙いもある。

逆にバタークリームは偉大、という結論になる可能性もあるので諸刃の剣だが。


シフォンケーキはこちらの世界で完全に開発されていない。

そもそもお菓子に油をいれるという発想が生まれてないのだろう。

シフォンケーキのパッケージには乳製品が入っていないこと、好みでクリームやジャムをつけると一層美味しいと記してある。



乳製品を使っていないものは必然的に原価が下がる。

できるだけこちらを売れば、利益もあがる。

今のところ色々な味のシフォンケーキを出しているものの、これだけでは弱い。

もっと乳製品を使わない菓子がほしいところだ。



スポンジケーキもバター率が低いのだが、何もデコレーションしないとそれこそカステラの方が良い・・・カステラ。


そんなわけで和菓子である。

まずはカステラとどら焼きを試す。

カステラは癖もないし、割と大丈夫だと思う。

どら焼きは餡子なので、西洋に近い食文化に通用するかどうか。

とりあえず2つの和菓子を並べてみて、売れ行きを観察することにした。

それに合わせて自販機の茶葉を日本茶に変えておく。



イチイの耳に入る噂はヘレン経由かケイト経由。

今回は菓子ということで人数が少ないにも関わらず女子の支持率の方が高く、ヘレン経由で噂を聞くことが多い。

概ね評判は良い。


あれが美味しい、これが美味しい、カフェにあるようなもっと高い菓子を置いてほしい、逆に安い菓子がほしいと意見も様々。

和菓子に関してはカステラはまぁまぁ、どら焼きは極端だった。

嫌いな人は食感や甘さがといい、好きだという人は何度もリピートする。

特に他の店で手に入らないので、どら焼きはレギュラーとして常に並べることにする。

カステラはたまに出そう。

常に出しておくよりたまに出す方が売上が上がるものもある。

人間限定品や新商品に弱いものである。




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