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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第三章
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45・春期休暇2

春期休暇中、イチイはあることに夢中だった。

魔道具作りである。

作り方の基礎本を図書室から借りてきて、レンにアドバイスを貰いながら作り上げていく。

試行錯誤を繰り返し、ようやく目指すものに近くなってきた。


イチイの目指すもの、それは、『自動販売機』である。


自販機ではあるが、ジュースではなく、菓子を売るのだ。

学内には売店はないし、皆オヤツは城下町で買っている。

それならば学内に自販機を置けばよいのでは、と思ったのだ。

勿論イチイが売り込むわけにもいかず、レンの知人という触れ込みでレンから話がいく。

ちょっと卑怯な気はするが、それはそれ。

使えるものは何でも使おう。


固定魔法、氷魔法、空間魔法などを駆使し自販機を作り上げる。

難しい部分はレンが手伝ってくれたが、大部分は自作だ。


生徒には貴族が多いので、単価は銅貨1枚に設定した。

城下町の菓子屋はもう少し高いものが多い。

イチイはそちらより安めで、原価も安くすることにした。

反応を見て種類を変えてもよい。


いくら保存が効くとはいえ、要冷蔵は怖い。

焼き菓子中心に定番のマフィン・マドレーヌ・フィナンシェ。

冒険にシフォンケーキとダッコワーズをいれることにした。

この二つは他のものに比べ、大分原価が低い。

これの売り上げが伸びれば利益も上がるはずだ。


自販機自体に費用はあまりかかっていない。かかっているのは労力と魔力だ。

魔法は週に一回程無詠唱でこっそりかけ直せば持つし、中身もレンが学校の事務で補充するように手配してくれるそうだ。

上手くいけばクエストの報酬とこちらでお金が早く貯まる。

たとえ全く売れなくても、余った菓子は自分で食べれば良いし、マイナスとまではいかない。

これなら資本金は材料費くらいなものですむ。



レン監修イチイ作成の自販機が出来上がり、レンが学校に話をつけてくれた。

学校としてもレンの知人ならば信用出来るし、校則違反でも損があるわけでもないのでということで設置可能となった。

そこでレンが付き添ってくれて商人ギルドへ行き、登録を済ます。

登録は「ヒツジ商会」でロゴも若干抽象的なヒツジにしてみた。


1日10個売れたら10銅貨、1週間で50銅貨、×の4週で200銅貨、税抜きで160銅貨。

微々たるものではあるが、うまくいくようなら設置場所を増やしてみたい。



こうしてイチイの菓子屋の第一歩が踏み出されたのである。






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