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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第三章
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月末テスト

語学・歴史・地理・自然魔法筆記は問題なく終わった。

ケアレスミスさえなければ満点かもしれない。

棒術も、イチイはリードしたままだった。

今のところ、負けなしだ。

そもそも担当教諭さえ、イチイに勝てなくなっている。


問題の自然魔法。

自然魔法と言っても、今回からは補助魔法も入る。

自然魔法各系統と、硬化・固定・浮遊の補助魔法だった。

呪文のない魔法は途中式のない計算式と同じ。

補習というよりは減点といった形で、いつもの50点である。


そんなわけで4回目の今回も約550点だろう。

他の生徒がこの点数を取れてなかったら一位、超えていても上位には食い込む。

成績のいい生徒が選択で良い成績を足らない限りは、イチイの一位は揺るがない。

ミカが馬術のタイムアタックで何位になるかが問題だ。




もう2回月末テストが終われば、冬期休暇だ。

クリスマスのない世界だが、年越しはある。

貴族はパーティを開き、平民でもホームパーティのような感じらしい。

今年は醤油もそば粉もあるので、強制的に年越し蕎麦にしよう。

だって2人でパーティも何もない。

去年はプリアレスト伯爵家のパーティに招待されてしまい、2人で壁の花をやってきた。

今年は招待されてもいかないぞ、面倒臭い。


イベントもなければ、学校行事もほとんどない。

魔法学校が特別なのか他の学校でもそうなのかは知らないが、入学式以降、テストはあれど文化祭も体育祭もない。

折角の学生生活なのに華がないぞ。



月末テスト明けでハイになっているヘレンたちと一緒に雑貨屋を冷やかし、カフェへ行く。

相変わらず小物や髪飾りに夢中だ。

イチイは髪の毛が未だ短いままなので必要がない。

辛うじて前髪は長めなのだが、これは手持ちのヘアバンドかヘアゴムでちょんまげすれば事足りる。

この世界の髪飾りはバレッタ的なものばかりなので、イチイの髪の毛の長さでは使えない。

これからも伸ばす気はなく、伸びたらセルフカットしている。


「まだ先のことですけど、冬期休暇や年末はどうするんですの?」

「寝正月」

「寝正月とは何ですの?」


炬燵で寝正月、したい。

そもそも炬燵がないのでどうしようもないが・・・しかし魔道具で作れそうだな。今度挑戦してみよう。


「何でもないよ。私はホルンに行く予定。プリアレスト伯爵家のパーティに招待されるだろうけど、行きたくないな」


「羨ましいわ!」

「贅沢ですわよ」


本気で変わってほしい。言わないけど。

次女侍女軍団がいなければ、マシなんだけどな・・・。

イチイは溜息をついて、とりあえず話を逸らすことにした。






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