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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第三章
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夏期休暇明け

夏期休暇明け、初日。

日本で言えば9月1日のようなものだが、夏休みが2ヶ月あったのでどちらかと言えば大学、10月1日になる。


こちらでは始業式といったものはないらしい。

午前午後ともに自然魔法の授業で、夏期休暇での成長振りを見たり復習したりするようだ。

相変わらずのイチイは、教室の片隅でぶつぶつと呪文を唱える。


ほぼ全員、前期で各系統の基礎は終えているため、後期は補助魔法に移る。

呪文を使うと補助魔法も使えないのだが、レンが補助魔法にそこまで精通していないため、きっと知らない魔法を習えるだろう。楽しみである。




放課後はヘレンたちとカフェでお喋りに誘われた。

「色気より食気よね」

と言われ、お土産にそれぞれの出身地の名産品を頂いた。

イチイ以外には食べ物ではなく髪飾りや栞や布で、女子同士のお土産とはこういうものなのかと知ることが出来た。

対してイチイの彼女らへのお土産は手作りジャムと茶葉なので、何というか、少々恥ずかしい。

色気より食気ですいません。




最初は夏期休暇の避暑の話だったり、今若い女性の間で人気のある髪飾りの話だったり。

やはり年頃の女の子、学校のどの男の子がかっこいい、という話にも発展する。

正直イチイには興味がない。

というか顔をしっかり覚えるまで、ほとんど同じ人に見えるのだ。

わかりずらい、西洋人風。


残念ながらトマの名前はあがらなかった。

まだ子供なので仕方がないのかもしれない。

この年頃の女の子は年上好きが多い。

どうやら学校で一番人気のあるのは3年生の先輩で(名前が長すぎてわからなかった)次が2年のケイトだという。たぶんだけど。

ジークフリード先輩と言っていたのでおそらくケイトだろう。

自分たちの学年ではミカも人気がある。

年齢はイチイより一つ下ではあるがしっかりしているし、何よりこの学年はイチイより年下が多い。

年齢は10代であれば良いとのことだったが、1年生の半数はイチイの一つ下のようだった。

ヘレンたちもイチイの一つ下だ。


意外なところでレンの名前も挙がった。

レンの授業は厳しいことで有名なのに、不思議だ。

1年は受け持ってないからかもしれない。


それにしても友達が少ないとはいえ、殆どの名前が上がるなんて、美形率高いんだな、と思う。

トマはまだ幼いだけで、成長すれば人気も出るだろう。

プリアレスト伯爵家の兄たちは、皆かっこいいと市井で噂されていた。




「イチイは誰が好き?」


これほど困る質問はない。


「特には・・・」


「じゃあどんな人が好みなの?」


と、どんどん掘り下げられていく。

最終的にはイエスノーになっていて、包み隠さず、といった感じだ。

実際気にしたこともないことばかりだったので、自分でもそうだったのか、と思うことが多々あった。

元の世界で彼氏がいたこともあったが、短い付き合いだったし、よくわからない。


でもとりあえず。


「食べることが好きじゃないと気が合わない」


それだけは確実だ。





















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