夏期休暇
プリアレスト伯爵に挨拶に行き、滞在中はお屋敷に宿泊することになった。
レンの家は家ごと引っ越しているので、ニトロプリアにあった家は空き地になっている。
女性陣はホルンに避暑に行っているので、次女がいないのことが決め手となった。
マーガレットも不在なのが少々つまらないが。
ポールは王都に、ジョンは他領とこちらも不在。
滞在中はイーシュの屋台へ行ったり、ナッティやノアたちとピクニックにいったり、クライスと塩パスタを食べたりと、有意義に過ごせた。
トマと夏期休暇の課題にも取り組んだ。
元の世界に比べると随分少ない。貴族は課題に加えて家庭教師をつけるらしいので、この量なのだそうだ。夏期休暇が明けるといきなり力を増していることが多いらしい。
トマはこれから、女性陣のいるホルンへ向かうらしい。
イチイは終えた課題を預かってもらい、ホルンから戻るトマに合わせ、一緒に学校へ戻るということになった。
イチイはこれからロハに向かう為、携帯食糧などを買い込みに行く。
何故かロニもロハに行くことになった。
まぁ自領ではあるし、おかしいことではないのだが。
水は魔法で出せるので要らないので、干し肉とカンパンもどき、干し果物などを購入した。
意外なことにロニはギルドに登録していなかったので、登録も済ます。
ランクはもちろんGからスタートでつまらなさそうにしていたが、戻って来たら2つ3つ上がるだろう。
純粋に強さで言えばコヅ並であった。
Dランクの討伐依頼を2つ受け、報告は一月程先だという旨を伝える。
報酬は銀貨10枚である。
馬は伯爵からというよりロニに借りたため、移動は割と早く出来る。
当初の予定は徒歩だった。
ロニは専らホルンの方面にしか行ったことがなく、ロハ方面は初めてだという。
それならと、馬を休憩させつつ、ゆっくりと進むことにした。
1番近い森には林檎がなっているし、入口で夜を待ち、蝙蝠を狩った。
ホルン方面とモンスターが違うので、初めてみるモンスターが多く、楽しそうだ。
こちらの方が弱いモンスターが多いので、手応えはないだろうが。
夜が明けて、森に入った。
林檎をそのまま齧ったり、焼き林檎にして朝食にする。
この世界で林檎は育てられておらず、自生ものに頼っている。
そのため街ではあまり見かけない。
林檎のお菓子も良いかもしれない。
この世界の植物は季節感がなく、年中取れるので供給が安定しているのだ。
野生の果物や木の実を収穫しながら、森を進んでいく。
道があまり出来ていないので、馬から降りて手綱を引いて行く。
夜は火を灯し交替で寝る。
森の中で2泊して、森を抜けた。
そのあと少し北へ、岩場のモンスターを狩る。
討伐はどちらもここで、難なく終わる。
素材を剥ぎ取りバックパックの底に入れ込む。
他の素材も剥ぎ取ったのでコインが稼げる。
そのまま南下、東へ向かえばロハである。
この途中には特に何もないのでそのまま町に向かう。
ロハの町は特に変わりはなかった。
入口にリーアとミィがいたのでお土産を渡す。
2人ともその場でお菓子を食べ始めた。
その様子を微笑ましく見守る。
今回は馬がいるので中央の宿に馬を預ける。
宿泊はリーアとミィの家である、町外れの宿だ。
女将さんたちにもお土産を渡し、その日は宴会となった。