表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第三章
39/154

仲直り?

数日後。


「悪かった」


イチイに頭を下げる一人の少年。

その後ろではトマが嬉しそうに笑っている。


イチイの成績がミカの成績を上回っていたら、落ちこぼれ発言を謝罪し、不敬罪云々のことは忘れ友達付き合いをするという約束をしていたという。

ミカは1点差で2位だったらしい。

あのながーい名前か。



不本意そうではあるが、不敬罪云々、付き合いをやめろと言われなくなるのは煩わしくないくて良い。

ミカと友達になれずとも良いが、トマとの付き合いで文句を言われるのはイチイにしてもトマにしても頭が痛い問題だったのだ。



Aクラスでは自然魔法の筆記課題が出ているらしく、一緒に図書室へ行くことになった。

自然魔法はクラスごと担当教諭が違うため、課題の内容・有無はクラスそれぞれだ。

最終的にテストは共通なので授業内容は相違ない筈だが。


2人は課題に取り組み、あぁでもない、こうでもないと話し合っている。

イチイには課題がないので図書室内を探索する。


「あれ」

「お、図書室で会うのは初めてだな」

「だね」


赤毛が印象的な、ケイトである。


「私図書室に来たこと自体、初めてなんだ」


ケイトは上級生とは言え、年齢は同じ。

その為敬語は要らないと言われ、タメ口である。


「そうか、この棚の本はお勧めだぜ。授業でやらない魔法の本が多い」


面白そうなのでお勧めの本を2冊ほど抜き取り、2人のいる席へ戻った。


「お帰り、何の本?」


課題に飽きてしまったトマは、机にだらりとなっていた。


「授業でやらない魔法の本だって。先輩のお勧め」

「先輩?」

「うん、昼寝してるとたまにくる。ケイト先輩っていうんだ。赤毛の」

「・・・ジークフリード侯爵家の」

「あ、家名は知りません」

「赤毛でケイトならジークフリード侯爵家だ。この国上位の貴族」


何となく、言わんとしてることはわかるが、敢えてスルー。

敬意を払え、でしょ。すいません、払ってません、っていうかタメ口です。


「あれ、この問題・・・」


話を逸らそうと思い何気なく課題に注視する。


「ここ、抜けてる」

「どこ?」

「ここ、ここ。水だけで水流に頼るより風をつけて回す方が効率良いよ」

「あー!」

「あとここも・・・」


楽しそうに課題を再開するトマを見て、ミカはほんの少し、笑った。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ