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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第三章
37/154

初めての月末テスト2

名前を呼ばれ、教室に入る。

Aクラス担当教諭・セルゲイ、Bクラス担当教諭・サイモン、Cクラス担当教諭・ミレイユと3人が待ち構えていた。

緊張する。



「まずは火種から」

呪文を唱えるが、やはり火種は現れない。

「次は水」

呪文を唱えるが、やはり水は現れない。


6つ系統全部の呪文を唱えるが、結局魔法は成功しなかった。

補習である。

泣きそう。



「・・・魔法を使えもせずによくこの学校に入ったね。魔力は高いようだが・・・」

「セルゲイ先生!」


咎めるようなサイモン視線に、セルゲイは肩を竦めた。


「その・・・呪文が苦手で・・・でも魔道具と魔方陣、どうしても覚えたくて」

「魔道具と魔方陣は呪文要らないからなんとかなるよ!」


サイモンのフォローが痛い。あれデジャヴュ?


「イチイは他科目は優秀ですし・・・それに授業中、呪文、頑張ってますし」


ミレイユもフォローしてくれるが、セルゲイの視線は冷たい。


「まぁ良い。しかし補習のしようもないんじゃないか。どうする」


確かに補習と言えば時間いっぱい出来るまで練習、プリントなんだがこの場合はどうするのだろう。




「それなんですが・・・」


ミレイユが言いかけたところで教室のドアが開いた。


「遅くなりました、申し訳ない」


レンが、何で。


「僕も補習に参加する。というか、」


レンが教室空間を隔離する。

外部からの侵入、防音などの効果がある。


「さて、教諭方。こちらの生徒・イチイは僕の弟子です」


いきなりのカミングアウトに教諭はもちろん、イチイも絶句した。


「貴方の弟子、この落ちこぼれが!?」


セルゲイの言葉にレンの眉間がぴくりと動いた。

怖い。


「落ちこぼれ、ね。僕に対する愚弄かな・・・」


ぽつりと呟いたレンにセルゲイの顔色は真っ青になった。

カワイソウに。


「イチイ、セルゲイ教諭に攻撃魔法を放ちなさい」

「は!?」

「良いですよね、セルゲイ教諭。落ちこぼれの生徒の攻撃魔法くらい、勿論防げますよね?」


「イチイ、問題ない、やりなさい」

「は、い・・・」

「僕が防ぎます、7割の力で」

「はい・・・」


教師を攻撃とか良いのだろうか。

まぁしかし言われた通りにしよう、だって補習だから。





さて。

イチイは掌を天井に向けた。

教室の天井は、高い。

魔法の練習をするので当たり前なのだが。


イメージする。


室内なのでいつもより小型。

炎と氷、2匹の龍。

攻撃しにくいので、セルゲイの周りをくるくる回らせよう。


「来い」




その圧倒的な魔力に肌がビリビリする。

教室の隅に逃げたサイモンとミレイユはそう思った。


セルゲイは情けないことに気絶しているし、レンはうすら笑っていて怖いことこの上ない。

こうして、補習は終了した。



因みに補習は補習なので点数は半分、50点でした。

補習にしては良すぎる点数である。








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