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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第三章
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初めての月末テスト

自然魔法の授業程、孤独なものはない。

担当教諭のミレイユの説明を聞きながら、イチイは一人で基礎の基礎の呪文と唱え続ける。

他の人はミレイユの説明に沿って新しい呪文を覚えていくのに、だ。



自然とイチイの定位置は後ろの隅で、皆の邪魔にならないように縮こまっている。

入学してから一ヶ月、火・水・緑・光・地・風と6つの系統の基礎の基礎は皆もう完璧だ。

基礎の基礎くらいなら向いていなくても割と使えるらしい。

上級魔法になればなるほど向き不向きが関係してくるらしいので、2年からは系統別に分けるようだ。



「来週、月末テストを行います」


月末、テスト?


「入学して初めてのテストですね。語学・歴史・地理・自然魔法の4つの筆記テストと、実技は自然魔法・選択課目1種です」


来た、来てしまった・・・。


顔色を青くしているイチイに気付いたのか、付け加えた。


「・・・補習もありますので、大丈夫です」


優しさが痛い・・・。



「総合の点数・順位が上位者のみ張り出されます。あとは前回からの順位の変動もですね。休暇中以外の月末はすべてテストがありますので、心しておくように」


せめて筆記・・・。







テスト前の休日2日間は、お菓子を大量に作った。

勉強するには甘いものが必要なのだ。

兎に角授業内容を頭に詰め込んでいく。

元の世界と同じようなテストなら、経験が多い分、有利なのではないだろうか。


鬼気迫るイチイの勉強振りに、レンが心配そうに見ていた。




さて、いよいよ筆記テスト当日。

筆記に関しては一学年一斉に行われる。

1科目当たり40分と想像より短い。中身も少なかった。

引っ掛かる問題は特になく、時間は半分以上余ってしまった。


午後は、実技である。

剣術と槍術、棒術を選択している生徒はそれぞれの会場でトーナメント戦となる。

残りの生徒は一人ずつ、教室で自然魔法のテストを行う。

イチイは棒術なのでトーナメントの方だ。

自然魔法は明日のテストになる。


貴族の経験といえば剣術と馬術がほとんどである。

棒術は未経験者が多く、イチイも未経験ではあるが、一応冒険者なわけで、圧勝であった。

全試合1分未満ということで文句なしの100Pt獲得だ。

自然魔法が壊滅的な分、ここで稼げて良かった。




翌日。

体術はトーナメント、馬術はタイムアタックを行うらしい。

その間に自然魔法のテストが行われ、今日は人数が多いので一日掛かりだ。

そのため、終わった生徒から順番に帰ることができる。

イチイは特別措置で一番最後だ。

そのまま補習に入るらしい。

補習確実なのだが、そう決めつけられるのもちょっと癪だ。

・・・しょうがないけど。


全生徒が下校して、イチイひとりが残った。



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