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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第三章
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生徒は9割以上、寮住まいである。

つまりは入学式以前よりコミュニケーションを取っており、特に女子はすぐにグループ化して徒党を組む。

ようするに初日の昼休み、すでにグループは出来あがっているのだった。


Cクラスは「ディ」が多いこともあり、実力主義だ。

なので最初の自然魔法の授業で一度も成功しなかったイチイに、優しくしてくれる存在はない。




自然魔法とは、精霊語を操り、精霊の力を借りるもの。


そう、呪文は基礎の基礎なのだ。

この学校に入学する時点で片寄はあれど皆それなりに魔法が使える。

特に「ディ」は貴族の援助を受けられるくらいなので、レベルは高い。ついでにプライドも高い。


イチイは呪文が苦手だ。

呪文を唱えるとどうしても呪文を唱えることに意識がいき、魔法が発動しない。

呪文とは別に無詠唱で魔法を使ってみたが駄目だった。

決して一点集中型というわけではないのに、不思議な現象だ。


そんなわけでイチイはひとりで給食を食べた。

昼休みは2時間あるので裏庭にハンモックを作り昼寝することに。

ハンモックは緑魔法で蔓を出し固定魔法をかけた。



午後は語学だった。

この学校は午前と午後に1コマずつ、1コマ3時間となっている。

授業の合間に休憩が挟まれることもある。


語学はすんなりと理解出来た。ノートも真面目に取った。

自然魔法が壊滅的なので他の教科くらいは好成績を狙おう。

勿論呪文を諦めたわけではないが、先行き不安だ。


留年という制度はないらしく、真面目に努力していれば補習もくんでもらえる。

とはいっても極力補習は避けたい。





初日はとうとう友達が出来なかった。

しかしAクラスにはトマがいるし、イチイは割とひとりが好きだ。何とかなる。


「イチイ、クラスはどう?」

「う~ん・・・女子はもうグループ出来ちゃってて入れない」

「入れて貰えば?」

「何か入り込めないんだよね」


実力主義のCクラスは早くもイチイを落ちこぼれとみなしているし、元々徒党を組む女子は苦手だ。

今までも学校ではグループというグループには属していなかった。

それなりに全員と仲が良かった。

男子でそういうタイプは珍しくなかったが、女子は珍しく、一部では八方美人だと言われていたことも知っている。しかしイチイとしてはそれぞれにいい顔はしていない。すべて同じ対応だ。


「別にひとりは好きだし、クラスは違うけど、トマいるし」


マイペースなイチイはひとりだと動きやすい。

偶に突拍子のない行動に出るらしく、付き合うのはわりと大変らしいのだ。

トマはそれが良いのだというが。



「あーあ、同じクラスが良かったよなぁ」

「本当にねー」



残念ながら爵位の高いトマはAクラスから移動はないだろうし、イチイも「ディ」なのでCクラスからの移動はない。

それでも今年は50人強という少人数でクラスも3つしかないので、教室も近い。

現在の3年生はは200人近くいるので10クラスあるのだ。


「ま、時々は遊ぼうな!レンとも遊びたいし家いきたい!」

「いつでもおいで」


トマはレンに懐いているし、レンもトマを気に入っているようだ。

種類は違うが植物繋好きには悪い人はいないとか、そういうことなんだろうか。


また遊ぶ約束をして初日は終了した。




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