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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第二章
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帰宅

ホルン滞在最終日、朝。

朝食を食べたら出発となる。


仲良くなった料理人たちとももうお別れである。

また遊びに来ると約束した。

今度はレンと栗拾いしたいな。


麻袋いっぱいに詰まった栗を持って、いざニトロプリアへ。


今回の旅は色々収穫があった。

食材は勿論のこと、友達?も増えた。

料理人もそうだが、ナッティとロニとはかなり打ち解けた。

ナッティとは、3歳の娘・ノアを連れてピクニックへ行く約束をした。

ノアは母親を亡くしているので、寂しがっているのだとか。

ニトロプリア北にある平原は、観光地でもあり、モンスターが出ない用に配慮されてある。

休日に家族連れが賑わう、アスレチック公園のようなものだ。


ロニには上から目線良くない、と懇懇と説明してやった。嫌みたっぷりに。

反省しているようだったので仲直り。

ピクニックについてくる気満々のようだ。そんなに弁当食べたいか。


ポールとジョンの覚えも悪くないようで安心した。

礼儀はなっていなかった筈だが実力はないわけではなかったし、イチイの作った菓子を気に入ったようだった。いつでも遊びにおいでというお言葉を頂いた。

次女がいなければ行ってみたいものだ。


カインとは唯一ほとんど話をしていない。

まぁお屋敷に行けばいるだろうし、機会があれば親しくなれるだろう。


冒険者という職業故か、イチイには女友達がいない。

ミィのような幼女は別として。

何故か極端に女性と知り合う機会がない。

貴族ではない女性と知り合いたいものだ。

この世界の菓子以外の流行など、何ひとつ知らないのである。



プリアレスト伯爵家に到着すると、レンが迎えに来てくれていた。

どういう風の吹きまわしろう。


「レン!ただいま!」

「おかえり」


そのやり取りを目撃したポール達は目を見張っている。


「どうかしました?」

「いや・・・イチイ、さんは、レン殿の・・・」


何故突然さん付け。

不思議に思ったがそこはスルー。


「お久しぶりですね、ポールさん。うちのイチイがお世話になりました。久しぶりなので今日は連れ帰りますよ。また明後日」


レンはイチイの手を引いて、ずんずんと歩いて行く。

イチイにばれない様にクライスを睨むことを忘れない。


「・・・電撃には、お気をつけて」


その声はクライスにしか届かなかった。








イチイは麻袋に詰まった栗の半分を砂糖とアルコールに漬け、そのまた半分をシロップ漬けに、残りを料理にした。

栗ご飯に魚の干物、茶碗蒸し、汁物といった和食仕立てだ。

今回の大豆で味噌・醤油が製造出来れば本格的な和食も作れる。

久しぶりの家族団欒な夕飯に、上機嫌な2人。

イチイの土産話(主に新しい友人たちの)に段々と機嫌の悪くなるレンに、イチイは首を傾げた。




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