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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第二章
25/154

ホルン4

そんなこんなで7日目、朝。

今日の夕暮れ、ホルンに到着する予定である。

各村すべて生産物が違い、夕食はバラエティに富んでいた。

ホルンは今までの村よりも少し大きな町で、栗の産地だ。

この世界の栗料理も食べられるかもしれない。

イチイが食べたことのある料理といえば栗ご飯や栗きんとん。茶碗蒸しに入っていることもあったが、あくまでも脇役。メインとなるとお菓子の類が多かった。

この世界ではどういった調理をしているのだろう。楽しみである。

そういう思いもあってか、今日のイチイは機嫌が良い。

それを察知したのかようやくロニがイチイに接触する。

謝るとか怒るとかそういう行動には出ないが、イチイの出方を窺っているようだった。

ワイルド系美形で背も高いのに、何か弱い生き物のように感じる。

これがヘタレというやつか。イチイは納得した。

そう思うと何となくかわいく思えて、ロニにもオヤツを分けてやった。

嬉しそうに食べるので頭を撫でたくなったが、ここは耐えるところ。

まぁ。

「中はバタークリームだけど、外側は庶民・・のメレンゲ菓子だけどね?」

いじめることも忘れないイチイだった。





ホルンに到着。

町の入口すぐに宿屋はあった。

馬車はそこに預けるが、実際泊まるのは別荘だ。

別荘に馬舎はなく、旅人・冒険者向けの、この町唯一の宿屋に預けることにしているようだった。

同じ町でもロハより少し規模が小さい。

食料品店と道具屋・食堂はあったが、武具屋や屋台は見られない。

別荘の余っている使用人室に通される。

2人部屋がふたつ。イチイはクライスと同室になった。コヅがにやにやしていたのを2人は知らない。

ベッドが二つ、クローゼット、簡易机が二つ、小さな丸テーブルにイスが二脚と宿屋より広い。

それぞれ荷物を机とクローゼットに片づけて、別荘内の食堂へ向かう。

前菜のブルスケッタ・白身魚のアクアパッツァ・鶉のグリル・クリームパスタとイタリア料理のようだった。デザートのマチェドニアも美味しい。これにバニラのジェラートを添えたものがイチイは大好きである。イタリア繋がりでパンナコッタも好きなのだが、さて、この世界にゼラチンはあるのだろうか。あると大変便利なのだが。

そしてこの場で滞在中の日程が案内される。

滞在は五泊六日。

1日目は町の視察なのでイチイたちはフリー。

2~4日目は狩りを楽しむので同行し、モンスターが現れた場合は速やかに駆除。

この間、休憩中などに栗拾いが可能だ。

5日目、貴族たちは休養を取るのでこの日も栗拾いが可能。クライスたちと思う存分栗を拾い、その場で焼いて食べようということになった。焼き栗万歳。


その夜、寝ているイチイに触れようとした誰かさんが雷による攻撃魔法で気絶して、気付いたら朝だったという事件が起こる。

犯人は過保護なおにいさんがイチイに渡したお守り。

イチイは肌身離さず持ってなさい、という言いつけを守っただけである。






























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