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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第二章
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ホルン2

今回の旅は昼は携帯食か弁当を、夜は滞在場所でということになっている。

初日の昼は持参だったので卵サンドとトマトスープを用意した。固定魔法って便利。熱魔法を使えば温めも簡単。

クライスとコヅ、カーク以外がイチイの弁当をマジマジと見ていたが、イラついていたのでスルーした。クライスが俺もイチイに弁当頼めば良かったと呟いたのでお裾分けした。

うまいうまいと喜んでくれて、何だか少し落ち着いた。


日が暮れるころ、村に着いた。

ホルンまで無理なく馬車移動できるように、プリアレスト伯爵が1日分の距離事に村を作ったらしい。どんだけだ。

そんな理由だからか人口は少ないし、店もない。村人は農作業とたまに現れる貴族と馬の世話をするためだけにいるようだ。

この世界では貴族と使用人が同じテーブルでっていうのは大丈夫のようだ。

夕飯は貴族らしい食事だった。前菜に鴨肉の燻製のサラダ仕立て、コーンスープ、牛肉のグリルハーブバターソース、白身魚のムニエル、クリームリゾット。デザートにバターケーキ。

重い。重すぎる。イチイは大食いなので完食出来たが、冒険者の割に線の細いコヅは苦しそうだった。

あれか、バターをふんだんに使えば貴族料理って?

イチイは昼間のことを根に持っているようだった。自分でドライと言っておきながら割と粘着質なのかもしれない。

でも、私なら。

イチイは考える。

前菜のソースはオレンジが良い。スープはコンソメかトマト。牛肉のグリルは赤ワインのソース、ムニエルをそのままにリゾットはあっさりめでいきたい。

日本人だからかもしれないが、こってりが4つも続くのは胃に重い。

食べている途中、貴族一行が手元を見てきたのがイラついた。ナイフとフォークくらい使えます。だけど元の世界と使い方違ってたらだめだ、と後で気付いた。




寝室は性別は考慮されず、冒険者でひとまとめにされため、4人で同じ部屋を使う。イチイは全く気にならないが。

「部屋、変えてもらった方が良いんじゃないか?」

「別に私は気にならないよ。家でもレンと同じ部屋だし」

それどころか同じベッドで寝ることもある。レンはあの家族宣言からスキンシップが激しい。どうやらレンにはそれが普通のようだ。この世界の常識なのかもしれない。

「「「は!?」」」

「家族みたいなものだから」

絶句している3人をしりめに、話題を変える。昼間のことを話しておきたかったのだ。

悔しかったから愚痴りたかったというか。

3人はイチイの怒りポイントがよくわかっておらず、イチイはますます苛立った。

貴族のいない世界で生まれ育った故の怒りなのかもしれない。

貴族がいる世界ならそれが普通なのか。

とりあえず明日はオヤツを見せつけて食べようと心に誓う。

我ながら心狭い、と思いつつ就寝した。


























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