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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第七章
141/154

139

『いやぁ、はっはっは!聞いてはいたが良い腕だな!まさか優勝とは!!』


『アリガトウゴザイマス』


リリスフィアの招待客は、どうやらスーパパ・スーママのようだ。

去年はスーの異母兄だったが、今年はスーママの希望で夫婦水入らずイスフェリア旅行らしい。

リリスフィアならではの無防備さ。

まぁスーパパは腕が立つようなので、心配はないのだが。


『本当!格好良かったわ~!』


『アリガトウゴザイマス』


他国の王族と談笑ともなれば、魔法騎士団の勧誘組も寄って来れない。

スーパパスーママ様様である。


『なのにスーちゃんは・・・まぁ戦闘向きじゃないからこそ、イスフェリアに留学させたんですけどね』


イスフェリアは魔法の国とも呼ばれる、4カ国の中では魔法に優秀とされている国である。

各国の魔法騎士団入団希望者はやはり時自国の魔法学校に進むが、研究職希望の人間の一部はイスフェアに留学することもある。

特に薬学や精霊語に強い。

数々の著名人も輩出している。

イチイはレンしか知らないのだが。


『国王にも向かないし、自立心目覚めさせたいし、何か手に職をとは思ってたんだけど・・・イチイさんのおかげだわぁ!イチイさんの弟子にしてもらえなかったらきっと、何にもなれてなかったわぁ』


『母上・・・酷いです・・・』


『ハハ・・・ハハハハ・・・』


もう笑うしかないっていうか。


『まぁまぁお嬢さん、これからも息子を頼みますよ!』


『ハイ・・・』







「イチイ、優勝おめでとう!」


「クライスさん!ありがとうございます!」


今年もまた冒険者代表ということで、クライスが来ていた。


「これで連続優勝だな。引く手数多だ」


「はい・・・ありがたいことですが」


「・・・寂しくなる」


「私も、寂しくなります・・・」


しんみりとした空気が流れる。

嫌だな、この雰囲気。


「残念だなぁ、残るなら嫁に来てもらおうと思ってたのに」


「ははっ、何ですかそれ。ニトロプリアで流行ってるんですか?」


「・・・え?」


「え?違うんですか?」


きょとんとしたイチイに、クライスはにっこりと笑った。


「あぁ、確かに流行ってるな。ニトロプリアってことは・・・プリアレストの三男?それとも・・・イーシュ?」


「え・・・イーシュさん、ですけど・・・」


「へぇ・・・」


「あの・・・?」


「ああ、ごめんごめん」


「わ」


髪をぐしゃぐしゃにされる。

何、これも流行りなのか?


「元気でな」


「はい。クライスさんも」














「はぁ~・・・」


「まぁ、うん、気を確かに?」


「それは慰めになってないんじゃないかな、トーマス殿」


「大丈夫、イチイは全スルースキル発動中だから」


「何だそれ」


「帰るからって、自己防衛してるんだろうねー、無意識に」









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