表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第七章
140/154

138


「開始!」


オースティンの剣に対し、イチイは棍。

オースティンが動く。


お互い魔法防御の魔法を掛けたまま、打ち合う。

お互いがお互いの癖を熟知しているため、中々勝負がつかない。

打つ、払う、突く、避ける、受ける、払う、




距離を取り、補助魔法の中で役に立ちそうなものを重ね掛けする。



棍にスピードとパワーを上乗せし、紫電を纏わせる。

オースティンもそれを見て剣に炎を纏わせる。

剣と棍が鬩ぎ合う。

純粋な剣と棍の勝負なら体力の差もありオースティンが優勢。

しかし魔法の使いようによっては。

イチイの魔力は一般の魔法使い桁知らず、だ。


最初はオースティンが押していた勝負も、イチイが盛り返して来ている。


オースティンがイチイの棍を弾き、距離を取った。

精霊語による詠唱が始まる。

実践であるならば、此処で迷わず攻撃する。

しかしこれは模擬戦だ。

実践に忠実にいくべきなのか、それとも見せ場を作るべきなのか。

詠唱するということは、それなりに威力のある呪文なのだろう。

元々イチイは詠唱が不得手な為、精霊語を使わない。中級レベルまでなら精霊語を理解することは出来るのだが。


まぁ取り敢えず警戒体制で。


どんな魔法が来ても防げるよう、魔法防御を最大限に。

逃走経路も考えつつ。


詠唱が終わり、オーティンの周りに濃い魔力が集まり始める。

詠唱終わりから発動までの時間が長い。

実践に向かない魔法だが、オ-スティンが使うのだ、何か意味があるのだろう。




魔力が炎に変換される。


確かに威力は凄い。しかしそれを容赦なく使うのか、意外だな。

女扱いされていないことに悲しむべきか、腕を認められていることに喜ぶべきか。

イチイは勿論、後者である。




オースティンの炎が大きくうねり、イチイに襲いかかってきた。

波というか、津波というか。


まぁ大技には大技で。

去年より見た目の派手さはないのだが。


イチイはその炎を最近開発したばかりの魔法で、空を飛んで避ける。

空飛ぶ魔法のことはまだ新しい情報で、オースティンも知らなかったようだ。

あまり表情が変わる人ではないのに、驚いていることがわかる。



「あれ・・・?」


この炎、熱を感じない?


「・・・幻術?」


幻術は補助魔法に分類される、難易度の高い魔法だ。

イチイは必要性を感じなかったので覚えていないのだが、これほどのものとは。

これなら確かに隙も生まれそうだ。

オースティンもそれを狙ったのだろうが、空を飛んで逃げたことでそれも勝機とならず。


さて反撃だ。

折角空を飛んだのでそれを活かした魔法にしよう。

そうなると落下する形のものが良い。

まぁ、炎(幻術だけど)を消すなら水だよね。

イメージは雨、豪雨。台風。

この世界に台風はないみたいだが。


水と風魔法を駆使し台風を模倣する。

気を取り直したオースティンと、距離が距離なので魔法勝負となる。



「イチイ殿、覚悟!」


「負けるか!」
















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ