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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第一章
14/154

12

馬を2頭、パーティから借りられることになった。

イチイは乗馬体験くらいしかしたことがなかったので、午前中いっぱい、クライスに指導を受け、なんとか乗れるようになった。尻は痛いが。

馬があるなら昼過ぎの出発で良いということで、昼はクライスお勧めの店へ行った。

トマトリゾットに肉の塊が乗ったもので、ボリュームもあり美味しい。

ボリュームのせいか男性客がほとんどだ。

フライドチキンやポテトフライもあるらしく、アルコールを飲んでいる客も多い。

「揚げた肉もうまいんだ。食べると飲みたくなるから今はあれだけど」

一皿穴あき銅貨3枚と安かった。また来よう。

お腹がいっぱいになったところでのんびりと出発する。


森の入口に着いたのは夕方だった。

早すぎるので火を焚き、交替で仮眠を取った。

蝙蝠型を数匹倒したので小銭が稼げた。

素材も剥ぎ取る。

夜の森で一番の強敵は夜行性型の獣モンスター。

金色に光る目、頭の中央に角が一本。

角と爪、牙、毛皮が素材で割と稼げるらしい。

大量に倒せばランクも上げられるかもしれない。

花が咲くのは森の中央よりニトロプリアに近い場所。

あの大木に割と近いところに咲いていた。

簡単に手に入り助かった。

獣モンスターも数匹しか現れず、多少の擦り傷はあるものの大したことはない。

槍で薙倒し、その隙に突き殺すのだが、開けていない場所では戦いにくく、そういった場所ではクライスが倒してくれた。

もっと小回りのきく武器が必要だ。槍は場所を選ぶし、短剣ではさすがにリーチが短すぎるので難しい。というか怖い。

森を出たのは明け方で、そのまま放置していた馬に乗って街へ戻った。

馬には魔除けの鈴をつけていたのでこの辺り弱いモンスターは寄ってこれないのだ。


街へ戻りギルドに報告に行った後、依頼主である魔法使いに会いに行くことになった。

依頼主とはギルドを通しても良いし、直接話しても良いことになっている。何かトラブルがあればギルドが対応することになるが。

魔法使いが住んでいるのは街の角にある2階建の一軒家だった。

煙突があり、煙がでている。

煙突がある家は少ないので目立つ。暖かい季節なので煙が出ているのはこの家だけだ。

「夜花草の配達?わざわざご苦労様」

魔法使いは黒いローブ姿で、ファンタジーっぽいなと思う。

作業台の上で花の仕分けを行う。

「うん、量は足りてるね。はい、報酬の銀貨」

「ありがとうございます。あの、貴方は何の魔法を使うんですか?」

「僕?割と何でも得意だけどね。城下へ行けば光で有名かな」

「あの、呪文を教えてもらえませんか?」

魔法使いは首を傾げ、イチイを見る。

「魔法、使いたいの?」

「はい」

「・・・そうだね。君、住み込みでげぼ、お手伝いしてよ。家政婦っていうか」

今下僕って言った?

「見たところ魔力あるみたいだし、ある程度覚えられるように教えこんであげるよ」

かなり扱き使われそうな予感はするが、とりあえず、まぁ・・・一歩前進?



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