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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第六章
127/154

125 リリスフィア王国 城下町

楽しい楽しい、夏期休暇の始まりである。


今年はリリスフィアということで、帰省するスーに同行する旅となった。

スーのご両親にご挨拶、馬車の中でも教材と睨めっこだ。


そして何故か。


「何故お前がここにいる」


「俺はイチイのいるところに存在するから」


ケイトもついて来ている。

半ば予想はついていたものの・・・っていうかレンと仲が悪そうなのが予想外?

レンはほとんど店に来ないので、接触している場面をあまり見たことがなかったのだ。


しかしスルー。

イチイは今忙しい。

教材しか目に入らないし、何も聞こえない。





リリスフィアに到着。

スーは実家に戻り、イチイ達は宿へ。

挨拶が明日の午後だ。

宿の部屋は最初、レンとイチイで1部屋、ケイトが別に1部屋という話だった。

しかし予想通り喧嘩勃発。

面倒になったイチイはシングルを3部屋取って自分の部屋に引き揚げた。


荷物を片付け身嗜みを整えてから部屋を出る。

観光、買い物、夕食だ。

リリスフィアに来るのは本当に楽しみだった。

ファッション先進国らしいリリスフィア、髪の短い女性がいたり、パンツルックも珍しくないという。

イスフェリアでは乗馬や戦闘時以外、パンツルックの女性はまず見られない。

4カ国の中で一番現代日本に近い服装。

そして何より、下着が充実。

いやここまで現代日本並に下着が充実してようとは。

イスフェリアではスポブラのようなものが一般的なのだが、リリスフィアではワイヤーのようなものが入った、しっかりした作りになっているのだ。

うん、これは買いだ。

輸入してイスフェリアで販売とか出来ないのだろうか。相談してみよう。

他にも靴やバッグ、装飾品など、すべてが現代日本のようで。


「すごい、楽しい」


こちらへ来て、一番買い物してるんじゃないだろうか。

今は夏だが、四季を通した服が置いてあるので、これから使えそうな好みの服を一通り買い漁る。


そして良い香りの石鹸、アロマオイル、アロマキャンドル、バスソルトなどが充実。

イスフェリアの石鹸はあまり良い香りがしないのだ。


「買い占めたい・・・!」


屋台でもまた、イチイは嬉しい悲鳴を上げる。


「たこ焼き、お好み焼き、焼きそば・・・!」


カカオバナナ、林檎飴、まるでお祭りのようだ。

ソースの良い匂いがそこら中から漂ってくる。

何て良い国なんだ、リリスフィア!!

勿論帰りは食料品店でソースを大量に買い込む予定だ。


食べたい、しかし夕食は3人で宿で取る。

ここは我慢だ。

リリスフィア滞在は割と長いので大丈夫。食べ尽くせる。

ヘレン達のお土産に下着を買いたかったが、流石にサイズがわからないため、他のものにした。

石鹸は送ると失礼かもしれないので、ふわふわもこもこのファーティペットである。

ファーで出来た襟のようなものなのだが、ローブの上からつけるとかわいいポンチョ風だ。


宿に戻ると2人とも不機嫌そうに、イチイの帰りを待っていた。

ドアの前にメモを貼っていたのである。


「ただいま」


「おかえり・・・どこに行ってたの?寂しかった」


何故か抱きついてくるケイト。

レンの眼が怖いんだが。


「メモの通り、買い物だよ」


「離れろクソガキ」


レンがケイトを引き剥がす。


「邪魔しないでよおっさん」


いやクソガキっておっさんって。

そんなに年齢離れてないし、そもそもケイトとイチイが同じ年齢である。


「まぁいいや。お腹空いたし、夕食にしよう」


宿の夕食は、期待通りだった。

サラダ、スープ、パン、魚料理、肉料理、デザートの順だった。

醤油味味噌味こそ出てこなかったものの、サラダのドレッシングが胡麻、肉料理がソースの掛かったチキンカツという懐かしい味。


リリスフィア最高。






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