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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第六章
125/154

123

4年生の校外実習は、2人1組で森の最奥へ行く。

今年度の狙いは2人で行う戦闘のようだ。

バランスよく組を作るため、実力1位とされているイチイは、最下位に近い生徒と組むことになった。


「あのあの、キャサリン・エーミスです!キャシーでもキティでもケイトでもケイでも好きに呼んでくださいっ!!」


「イチイ・ヒツジ。よろしくね。えぇと・・・キティ?」


金髪碧眼の彼女は、その髪をサイドで一つに結び、赤いリボンを付けている。

狙ってるのか。ハ○ーキティ。


「私、実践が苦手で・・・足を引っ張ると思うんです、ごめんなさい・・・」


「大丈夫、落ち着いて頑張ろう?」


「・・・はぃ」


落ち込まれると苛めてるような気分になる。

なんせキティは150センチない。

18センチ以上小さいってことだ。

俯かれるだけで傍から見るといじめ現場なんじゃないだろうか。


「実践が苦手ってことは、授業では大丈夫なのかな?」


「はぃ。モンスターを相手にするとどうしてもパニックになってしまって・・・」


なるほど、パニック体質なのか。

偶にいるんだよな、実力は問題ないはずなのに不思議なくらいパニックになる人。




獣道を進んでいく。

低レベルなモンスター一匹ではパニックにならないようで、水魔法やレイピアの物理攻撃で割と落ち着いて倒していく。

ただ複数匹同時に出現すると、どれから倒せば良いのかわからずパニックになる。

イチイの場合、カウンターで倒していくことが多いのでキティにもそれを進めてみた。

頭では理解しているものの、一匹に攻撃して、その結果を見届けないと次に攻撃できないという、何とも不器用なことを言い出した。

実践が苦手というより、実践に向いていない。

良く言えば慎重ということにもなるが。


兎に角、キティは一匹目を完全に仕留めるまでいちいち確認する。

確認しつつ、次を攻撃すれば良いだけなのだが、それが難しいらしい。

キティが一匹目で手間取る以上、その間にイチイが他を倒すしかない。

この森レベルのモンスターならそれで攻略可能だ。


「うううぅ、ごめんなさい、ごめんなさい」


「大丈夫だよ。キティは落ち着いて一匹目を倒して。その間に他を倒しておくから」


「ぅぅぅぅ」


このやりとりを何度か繰り返しつつ、最奥へ到達。

今回は折り返して戻ることだけが目標だ。

今年度も少しずつ難易度が上がって行くだろう。

キティ、大丈夫なんだろうか・・・。


割りとスーも心配だ。

組んだ相手によっては苦労するだろう。

フォローの上手い人だったら良いのだが。








校外実習は100Ptだった。

きちんとフォローが出来ていたからだと思う。

語学も猛勉強の甲斐あって減点はほぼなかったし、他筆記も同様。

騎馬は4位とちょっと惜しい感じではあったが、総合では僅差で1位だった。

最後の一年も好成績が保てるように頑張ろう。






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