表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第六章
122/154

120

今年度の自然魔法の選択は地と風と補助にした。

これには一応理由がある。

前と同じ人数が少ないからという理由ではなく、重力操作の魔法を開発するためだ。

それと同時に風、浮遊魔法で”空を飛ぶ”魔法の確立。これを目指している。

専攻したものと順番が同じなのはケイトだけなので、自然魔法の授業が一緒なのはケイトだけだ。

今年からクラス単位の授業がなくなり、変わりに少人数制になったのだが、これは成績順らしい。

ケイトやミカと同じグループなのだが、残念なことに、非常に残念なことに、ブラックマンとも同じグループとなった。なんてことだ。



言語は4つ目、4カ国最後のリリスフィア言語となる。

当たり前だが全く理解できない。地道に勉強するしかない。

夏にはリリスフィアに行くわけだし、日常会話と挨拶くらいは出来ないと・・・!

それにこれがマスター出来ればスーとの意思の疎通も簡単になるかもしれない。

そうか、魔道具で翻訳機という手もあるな。



そして問題の武術。

今回から生徒の熱い要望により”騎馬”というクラスが出来たらしい。

馬術は純粋に馬に乗ってスピードを競っていたのだが、騎馬は馬に乗って好きな武器を持って戦う武術になるらしい。

馬術は得意ではないのだが、何故だか強制的にこの武術を選択させられた。

こういうときのオースティンは押しが強いな。

自分の愛馬がいれば愛馬の使用可ということなのだが、生憎イチイには愛馬がいない。

・・・ドラゴンならいるのだが。

いない場合は勿論学校の馬を貸してもらえる。




そんなわけで以上が最終学年の授業内容である。

うん、見事に全てケイトと一緒だ。

そして一つもスーとマーサと被っていない。

リンクは騎馬で同じである。




 

「ケイトは何で、そこまでするの?」


菓子店で仕込みをしながら尋ねる。


「一緒にいたいから」


タラシっぽい笑顔でケイトは答える。

それが嘘でないことはわかるのだが。


「何故一緒にいたいと?」


「愛しているから」


一瞬泣きそうに見えた。

だけど次の瞬間には食えない笑顔。


「誰が誰を?」


「俺がイチイを」


「それは嘘だ」


「嘘じゃないのに」


何だかなぁ。

ケイトが何を考えているのかわからない。

悪意があるわけではないのだろうと思う。

だけど真意もわからない。


「まぁいいか」


「いいんだ?」


「害はないからね」


「そっか」


「うん」







「・・・そういう会話は2人っきりのときにしてよね」


「よねー・・・」


呆れ顔のトマと、辛うじて愛しているが聞き取れたらしいスーから苦情を頂きました。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ