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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第六章
121/154

119

「でーきーたー!」


教室にトマの声が響く。


「出来たのか!よし、動かしてみろ!!」


その声に逸早く反応しのりのりな魔道具教師。


「んじゃいきまーす!」


かちり、と魔石を魔道具に嵌め込む。

嵌め込んだ魔道具に光が灯る。


「ひかったー!」


「すげー!!」


テンション高いトマと教師。

イチイとミカはそれを見つつ作業を進める。


「おっけ、こっちも出来たよ」


「こっちもだ」


3年生の初め、目標とした無属性の魔石が、漸く完成したのである。

要するに充電式の電池の役割を果たす魔石だ。

こちらの世界でそういったものは今まで存在せず、イチイの提案で研究を始めて一年。

トマと教師は大喜びだ。

イチイとミカも嬉しいのは嬉しいのだが、トマと教師のテンションの高さに喜ぶタイミングを失ってしまったというか。


「レポートはまとめて提出しておく」


「ありがとうございます」


連名で魔法研究所に提出するのだ。

これが認められれば買い取ってもらえるといった仕組みで、前回の転移の魔方陣も魔法研究所を通し国が買ってくれたのである。


今回の試作第一号は卓上ライトである。

机の上やベッドサイドに置けるサイズ。作り易いもの、ということで今回はライトなのである。

後はイチイの不在時でもエルマやロニが使えるようにハンドミキサーを開発中だ。



「イチイ、これはどうしたら良い?」


「あ。ここはこうして・・・」


「ん、わかった」


実はケイトも魔道具の授業を選択している。

というか選択授業はすべてイチイと一緒。

なんというかもう、ベッタリだ。ヘレンたちに影でストーカー呼ばわりされるくらい。

流石にトイレまではついてこないが、給食や昼休み、放課後はずっと一緒にいる。

レジと給仕をやってくれるので助かっているが、ケイトも貴族だったような・・・。

いいのだろうか。


「しかしこれが認められれば色んな可能性が広がるな」


「確かにそうですね」


問題はまだ山積みではあるが、魔石電池が普及すれば魔道具の幅は広がる。

何より魔力がなくても使える魔道具。一般人にも使えるというのはでかい。

技術革命になりそうだ。


他に考えているのは通信機の開発。

電話に代わる魔道具も魔法も現在開発されていない。

転移の魔方陣を使えばFAX変わりになるが、元々連絡手段といえば文だけだった。

ファンタジー小説では念話の類は一般的なのに何でこの世界にはないのだろう。

というか人が転移出来るようになればもっと便利なのだが。

4カ国に至っては国境越えに監査もなく、パスポートも関所もない。

人の転移が開発されてもあまり問題はない。

プライバシーくらいか?


「よーし次は自動草スキーつくろーっと♪」


トマは上機嫌でおもちゃの開発に勤しむ。


「あ、じゃあこういうのは?」


スケボーっぽいイラストを書いてトマに渡す。


「この丸いのがくるくる回ると進むわけ。こう、ね」


筒状のものに板を乗せ、実演。


「蹴って乗っかればその蹴った勢いで進むんだけど、この蹴る力を魔石で補って・・・」


「いいねー!おもしろそー!それも作る!!」


草原や庭で遊べるおもちゃのアイデアを2人してノートに書き込んでいく。

車とまではいかないけどスクーターも良いなぁ。

今日は残り時間も少なかったので、浮遊ボールを作って終了した。




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