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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第六章
120/154

118

4年生になった。

基本的に教室は4年間変わらないので、いつもの教室に向かう。

初日だからか、随分騒がしい。


「おはよ」


「おはようございますっ!イチイ!待ってましたわ!」


「はい?」


「よ」


ヘレンの挨拶の後、声を掛けられた方向。


「・・・なんで?」


卒業したはずの、ケイト。


「卒業しなかった」


「は・・・何で?」


「出席日数足りなくて?」


そういえば、冬休み明け見かけなかったが。

だがこの魔法学校では出席日数不足など何とでもなる。


「イチイと一緒にいたかったから」


ケイトはイチイの頬に手を添えて、甘い声で囁いた。

途端に教室中で歓声が上がる。

何なんだこれは。

怪訝そうなイチイに、ケイトは面白そうに笑う。


「あと一年しかないだろ。だから」


「え・・・?」


何だそのセリフは。

まさか本当にイチイと一緒にいるためにとでもいうのだろうか。


「一年間よろしく」


ケイトは慈愛に満ちた微笑みで、イチイの額に口づけを落とした。










「モテ期なのか?」


イチイは今までもてたという経験はない。

あと一年で帰るからっていう褒美?試練?


「もう帰らずにこっちで嫁いじゃえば?」


「軽くいうなぁ。帰るって」


「ちぇー」


「ちぇー」


「スーもそこは真似しなくてよろしい」


「まぁケイト先輩のは恋愛感情ではないと思うけど」


「そーなの?」


「うん、何となくね」


泣き黒子仲間だし。

何か引っかかるというか。

一年間って言っていたので引きとめることはしないだろう、きっと。


「でもAクラスだったのにCクラスに移動だなんて、ズルイよね。おれも移動したかったなー」


「なー」


「確かに一緒だと楽しそうだけどね」


学校側からすると面倒そうだが。


「まぁなんにせよ、面白くなりそーだなー」


・・・トマの楽しそうな笑顔が怖い。




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