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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第一章
12/154

10

一般的な魔法とは、自然魔法の略称である。

火や光、水、大地など様々な自然に宿る精霊から力を借りているとされる。

精霊は目に見えず、大体は精霊の言葉である呪文で力を借りるのだ。

魔法石はそのものに宿る精霊の力を借り、札は呪文が書かれているのでそれを精霊に捧げる。

魔力は生まれもってくるものだが、魔力の多い場所に長くいれば後天的に魔力が与えられることもある。

自然魔法の属性に関してはその自然により多く触れれば身につくとされている。

発動時にイメージすることも大事らしい。


というのが屋台の店主、基、イーシュの弁。


初めて魔法を見て興奮して、イチイはそのまま居座って、他のお客さんが来るまで話し込んでいたのである。

イーシュの場合、火系魔法の才能があったのだろう。

見よう見まねで試してみた火系魔法の初歩の初歩がうまくいった。

あとは魔術師や魔法戦士、本などを見て、真似していくうちに上級である炎の龍も出せるようになったとか。

なので魔法学校には行ってないし、弟子になったわけでもない。


「あれ?さっきの龍、呪文唱えませんでしたよね?」

「あぁ、難易度は高いらしいが無詠唱魔法っつって、呪文なしでもいけるんだ。まぁ俺の場合、肩の刺青が呪文のようなもんなんだけどな」

イーシュの肩には龍の刺青がある。タンクトップなので丸見えなのだが、なるほどこれが媒体になるのか。


イーシュに初歩の初歩の火系魔法(火種っぽい)を見せてもらい、呪文も書き止めた。

ひっそり練習してみようと思ったのだ。

イーシュいわく、魔力量はわからないけど、イチイから魔力は感じられるらしい。

才能の有無はわからないが、練習してみて損はないだろう。

目指せ火種チャッカマン要らず。

日も暮れて来たのでイーシュに別れを告げ、宿に戻った。

ほどなくしてクライス達が迎えに来てくれたので、夕食に出かけた。

メニューはシーフードのカルパッチョ、フィットチーネのトマトソース、カツレツ、厚切りバケット、ジャム、それから果実酒を少し飲み、良い気分で就寝した。


翌朝。

宿で朝食(スクランブルエッグを乗せた厚切りバケット、野菜スープ)を食べ、食料品屋を探した。

昨日カルパッチョを食べたので、たぶん酢に近いものがある筈だ。

酢とロハでは見なかった正体不明な調味料を一通り買う。

それから焼き米に合いそうな食材を買い込み、昼過ぎにイーシュの屋台へお邪魔した。

落ち着く時間を見計らっていったので無人だった。

この時間にイーシュは食事すると行っていたので、食材を渡し作ってもらう。

「お、これいいな!日替わりで具を変えるか、種類増やすのも良いかもなぁ」

「具を大きくするのもボリュームあって良いかも。あ、だけど火の通りが・・・」

「別鍋か、下茹でするとか・・・」

「茹でるっていうか揚げるか炒めるかの方が。あとは油に旨味が出そうなものをいれるとか・・・」

豚の脂、ラードで作ると美味しいし、そういうものがこの世界でもあれば使えそうだ。

ああでもない、こうでもないと焼き米を改良していく。

もともと長葱・鶏肉しか入ってなかったので改良の余地はたくさんある。

結局卵入り、海老入りを出すことにしたようだ。


イーシュに知っている呪文をすべて聞き、他にも観光スポット、人気の店などを聞いた。

ニトロプリアで女性に人気があるのはガラス細工の店とその隣の甘味屋だそうだ。その甘味屋には氷菓子が置いてあるという。今度行ってみよう。

魔法は宿で練習して、万が一事故が起きると困るので、明日外で練習してみよう。






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