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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第六章
118/154

116

4回戦の苦戦は何だったんだ。

5回戦、6回戦は5分も掛からず終了。

あっという間に準決勝である。


相手は珍しく鎧を着ていない、ローブ姿。

イチイと同じく魔法主体らしい。

今まで見て来た中で一番の腕前なんじゃないだろうか。

(レンは攻撃魔法をあまりつかわないので除外)

魔力量はそこまでではないものの、遣い方が上手いので勉強になる。


「っと」


突然背後から光弾が向かって来た。

魔力の感知が遅かったら終わっていた。


対戦者とは違う方向から飛んでくるなんて出来るんだ、と感心するイチイ。


「あ、あーあーあー」


なるほどなるほど。

さっきから背後からやたらと光弾が来るなと思ったら。

どうやらイチイ自身の影から放たれているらしい。

光魔法の応用でこんなことも出来るのか。

さすがに影を使用だなんて考えたことなかったな。


「ちっ」


気付いたことを気付いた対戦者が舌打ちした。

確かに気付かれてない方が使いやすいしね。


対戦者方向と影方向から攻撃を受けるのは結構キツい。

さてどうするか。

接近戦に持ち込むか、影をなくせば良い。

照明を落とす?

それとも・・・・・


飛んじゃうか?




実際空を飛んだところで影がなくなるわけではない。

ただ影が密接してないというだけで断然避け易くはなるわけだ。

折角魔法対決みたいで楽しいのだ。

空を飛んで面白い対決にした方が良いと思う。

そんなわけで。


掌を天井に向け、地龍を創り出す。

直接空を飛ぶことはしたことがないので、地龍に乗ることにしたのだ。

割と小型の地龍に乗り込み、空から攻撃を仕掛ける。


目を見開いて絶句している対戦者に、軽く攻撃魔法を放った。


なんだろう、驚きすぎで油断してたのかな。

その一発で身代わりの石が砕け散った。






いよいよ決勝戦。

対戦相手は4年生。

オースティンはこの対戦者に準決勝で敗れている。

身体程ある大剣。

白銀に輝く鎧兜。

トマがこの人も魔法騎士団に入団する人だと言っていた。

剣術大会に出場していなかったので実力は知らないが。


「ふぅん」


「?」


値踏みするような視線。

あまり気持ちの良いものではないな。


「天才2人を倒したにしちゃあ強そうには見えないな」


「はぁ、そうですか・・・」


そんなこと言われても。

どうリアクションすれば良いのかわからない。

因みに天才2人というのは4回戦の彼と準決勝の彼らしい。

名前は既に覚えていない。


「オレはダイ。ダイ・ベイカー・ディ・ブラックマン」


「ブラックマン?」


「ああ、出身は神国の平民。腕を買われてブラックマン侯爵の援助を受けている」


「・・・ブラックマン」


ブラックマンは初戦敗退しているのでイチイとは当たらなかった。


「御子息から手加減するなって言われてるんでね。悪く思うなよ」


「へぇ・・・」


ブラックマンの言葉も気に食わないが。


「既に勝つ気でいるってのが気に食わないな」


「あ?」


「はは、悪く思うなってのはこっちのセリフだ」



試合、開始。



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