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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第六章
115/154

113

「貴様ふざけているのか!!」


「まったくふざけてませんが」


イチイは一回戦、4年生と当たった。

見たこともない人なのだが、どうやら剣術大会の入賞者らしい。


イチイの格好はいつも通り。

白シャツにチェックパンツ、ブーツ。

上からローブを羽織り、愛用の得物は2本背中。

手にはロッド。

何がダメなんだ。



「鎧も兜もなしだと!?剣術大会で俺より上位だったからって舐めてんのか!!」


「いやいつもこの格好なんですけど・・・」


討伐依頼だろうが採取依頼だろうが、イチイはいつもこの格好である。

初期こそ鎧を着用していたものの、レンにローブを貰ってからは使っていない。

そもそも魔法使いなんだからローブでいいんじゃないだろうか。


「あ、私剣より魔法なんで、ローブなんですよ」


剣メインだと思われてるからこんなに怒ってるのか。


「そう言う問題じゃない!!」


違うのか。


「もーいーじゃないですか、始めましょうよ」


面倒な人だな。


「これ魔法掛かってますからそこらの鎧よっぽど防御力高いですって」


何で始める前からこんなに疲れなきゃならないんだ。

そんなこんなでようやく開始され、なのに2分で片がついてしまい前座の方が長かったという始末。

意味わからん。



が、しかし、普段からこの装備軽装すぎると思われていたことが分かった。

確かに一見普通のローブだ。

魔力も感じられないのでそう思うのも致し方ないというか。


「でも本人の自由だと思うんだ」


「まーね。だけど何も知らない4年生は馬鹿にされてると思うんじゃないかな。だって本当にいつもと同じ格好なんだし」


確かに普段から鎧を着けてる人はいないので、試合の格好は皆いつもと違う。

そこにいつもの格好そのままのイチイが現れればそう思っても仕方がないことなのだろう。


「3年生は皆校外実習みてるから」


校外実習もイチイはこの格好なので、確かに3年生からすれば普通だろう。


「4年生は剣術大会しか見てないしね」


剣術大会は皆同じ練習用の剣と鎧、兜だった。


「次の試合からは大丈夫でしょ」


この試合を見てただろうから、イチイのこの格好が戦闘用だとわかってくれただろう。


「瞬殺だったし誰も絡まないと思う」


「そっちか」



会場を4つに分け4試合ずつ開催したので、割と早く進む。

制限時間がないため長引くところは長引くが、実力差が大きい対戦も多いため、午前中に全一回戦が終了。

昼休憩1時間を挟み、午後から2回戦が始まる。

今回特別観客席には学校から用意された豪華な昼食が振舞われるらしい。

そうなると流石にトゥレも抜け出せないだろうから、イチイは校内でトマとスーと昼食を摂った。

自販機に貴族の遣いらしき行列が見られ、イチイのテンションがかなり上がった。




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