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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第六章
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剣術大会も終わり、来月は模擬戦がある。

これは3、4年合同で割と何でもありな感じで、賞金も剣術大会より上だ。

こちらも魔法騎士団や他の魔法使いの協会など、お偉方が色々来るので気合が入る。

万が一のため、致命傷を防ぐための身代わりの石が配布される。

これが砕け散るか、気絶するか、降参するかで勝敗が決まる。

魔法可の愛用の得物・防具可なのでイチイはもちろん参加である。

毎年怪我人続出、重傷者も出るということで覚悟のない人間は出ない。

イチイの周りで参加するのはオースティンとリンクくらいである。

女子の参加率は元々低いのもあるが、戦闘向きではないし、進路もそちら方面でないので不参加なのだ。

魔法ありで友達と試合はしたくなかったのでちょうど良い。

出来れば2人とも当たらないと良いのだが。



そういえば、最近ケイトに会っていない。

よく昼寝場所に来ていたのに、最近は全然現れないし、図書室でも会わない。

たぶんAクラスだろうと思うが、実際クラスの話もしたことがないので、教室に行くのもどうかと思う。

ケイトから来てくれなければ会うのも難しいことを実感した。

別に用事があるというわけではないが、冬休み明けてから一度も会っていない。

魔法学校には卒業間近の自由登校はないようなので、登校してはいると思う。



「んー・・・」


「どーしたの?」


「最近ケイト先輩見てないなって」


「おれも見てないかなー。って言っても普段廊下ですれ違うくらいだけど」


時は放課後、場所はヒツジ菓子店。

暇だったのでエルマに表を任せて、イチイとトマは裏で休憩中だ。

エルマは働き始めて一週間ほどで表の仕事を粗方覚えた。

流石経験者である。

簡単なデコレーション大分出来るようになった。

メニューによってはロニと2人で店番を任せられるようになったのがありがたい。

1人ずつ従業員を増やしていき、平日の昼間も営業出来るようにしたいものだ。

仕込みはイチイとスーが休日や夜にまとめてやっておけば良い。

ただイチイが帰った後のことを考えると、仕込みの出来る人も少しずつ増やしていきたい。


「ニトロプリア、順調みたいだね」


「うん、良かった」


トマが送られてくる売上表を見ながら言う。

転移の魔方陣があって本当に良かった。

通常ならこの売上を伝えるだけで馬を出すところなのだ。


「こっちも順調だけどねー。カカオフォンデュになってから特に」


「そうだね。カップル率が増えたし」


元々女性同士が多く、今も多いが、恋人同士がやたらと増えた。


「たぶんねー、ウェディングケーキが原因だと思うんだよね」


どうやらウェディングケーキの噂が広まっているようだ。

裕福な貴族から注文が何件か入り、対応した。

トゥレ発のような気がする。

その後からどうも、カップルでここのケーキを食べると良い的な噂が広まっているような気がするのだ。

永遠に結ばれるとかより一層仲が深まるとかそういう系の効果はございません、念のため。



「女の子ってそういうの好きだし、良いんじゃない?効果あるなしより男がそれに付き合うってことが重要っていうか」


「・・・たまにトマって、年齢不詳だよね」










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