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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第六章
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ホルンで栗拾い(と狩りと栗投げ)を堪能した一行は、ニトロプリアに到着。

イーシュに会い、無事スカウトを終えた。


店舗は新築ではなくリフォームだ。

外からも厨房が見えるような造りで、窓口で金銭と弁当の受け渡しが出来る仕組みだ。

ドライブスルー+オープンキッチン。

必要時はイーシュの炎の龍で客寄せしようという魂胆だ。

昼と夜に1人ずつ、調理補助と店内業務で人を雇った。

非常勤としてナッティの協力も得ることが出来、順調である。

リフォームは2日で済むので3日目には営業出来る。

流石領主の息子、コネって凄い。



その間、ロニと剣術の練習をすることになった。

次回の剣術大会は来月。

あまり乗り気ではないが、恐らくオースティンに引っ張られる・・・。


「は、はぁ~・・・・・もう無理・・・・・」


地面に大の字になって寝転ぶ。

こちらの世界に来て体力も筋力も上がったが流石に限界はある。

ロニもイチイほどではないにせよ、疲労感が見える。


「あー・・・」


空が青い。

青いけど・・・影が見える。


ドラゴンキタ。







名もなきドラゴンは空気を読んで小型化していた。

良かった、大騒ぎにならなくて。

帰る時期は卒業後。

また迎えがやって来る。

それまでに出来るだけ心残りがないようにしたい。









いよいよ開店。

元々イーシュの屋台は人気だったこともあり、開店初日から賑わいを見せた。

持ち運びやすく食べやすい容器入りになったことで冒険者の利用率が増え、デザート付ということで女性客が増える見込みだ。

正直なところ、客数が屋台の時から少しでも増えれば充分黒字になる。

そうでなければいきなり飲食店開店などと冒険するような性格でもない。

米と鶏肉の生産者と直接取引を始めたことが経費削減になり、利益につながる。

生産者からしてみれば多少安価でも安定した供給、その上転移魔方陣の利用という利点。

魔方陣の利用で数人掛かりで馬車の移動という面倒な工程が大幅に削られ、その分費用が減る。

双方プラスという算段。


今まで利用していた護衛などが少し仕事が減ることになってしまうのが難点だ。

今はまだいいが、あまりこういった取引を進め過ぎると困った事態になりそうである。

各国魔方陣の開発が進めば、いずれにせよこの問題にはいずれぶち当たるだろう。

人間の転移が出来るようになるのはさらに先だろうから、まだまだ先の問題であるが。



「あー、疲れた!」


「お疲れ様です!初日大盛況だったねー」


「おう、常連客皆来てたもんな」


「人気者ですね」


そう、常連客皆、お祝がてらに来てくれたらしいのだ。

元々焼き米が好きな人たちはバージョンアップと知り気になったのだろう。

冒険者の弁当持ち帰り率半端ない。

イートインのはほぼ自販機利用者であったが、ほとんど焼き米リピーターである。

今日分は人件費がイーシュ分だけなのでまるっと黒字だ。

ぎりぎりまで店を手伝ってから城下町に戻ることになる。


店内はお祝に貰った酒瓶が所狭しと並ぶ。

9割方酒というのが面白い。

まさに世界の酒大集合。

リリスフィアのジンっぽい酒。

チガヤのウォッカっぽい酒。

ヘーリングのテキーラっぽい酒。

ガデス神国のワイン。

ツゴ共和国のラムっぽい酒。

トンク王国のブランデー、などなど。


この日は翌日に残らない程度にと宴会が行われた。

一番飲んだはずのイーシュはけろりとしていたが、一口しか飲んでないはずのスーは何故か二日酔いで寝込むという事態に陥った。

不思議だ・・・。



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