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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第六章
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三段のケーキにイチイがクリームを絞り、リーアとミィに果物とマカロンを飾って貰った。

その間に飴細工でブーケを作り、それを一番上に飾った。

保存魔法万歳。

結婚式は数日後だが、状態はこのままで維持できる。





結婚式当日。

こじんまりとした教会で、祝詞を聞いた。

ガデスという国の言葉らしく、全くわからなかった。

語学は無理だ。

ウェディングドレスはこの世界でも白。イチイの想像よりも大分シンプルだった。


その後、移動。

結婚式は新居の庭があれば新居の庭、なければ教会に付属する広場で行うらしい。

新居には庭があるらしく、そちらで行うことになっている。

女将さんたちが用意してあったらしく、庭には既にテーブルがいくつも置いてあり、様々な料理が並んでいる。懐かしい御馳走たち。

コヅもお姉さんも平民なので、貴族の招待客はほぼいない。

堅苦しくなくて良い。

下手に貴族がいると新郎新婦であろうとも頭を下げたりと色々儀礼があるのだ。


女将さんの挨拶で式が始まる。

挨拶と言っても、今日はありがとうございます、どうぞ召し上がってください、的なものだ。

後は皆わいわいと食事をしつつ、新郎新婦を冷やかす。

アルコールも用意されており、最終的には皆べろんべろんだ。

なるほど確かに、ドレスはシンプルじゃないとこの場で動けないかもと納得した。

だって皆に絡まれる。


大分料理も減ってお酒も周り初めたころ。

イチイも挨拶のために新郎新婦の元へ行く。


「こんにちはー」


新郎新婦の周りには新婦のご家族と、クライスたちがいる。


「この度はおめでとうございます。これ、良かったら使ってください」


ケーキとは別に用意しておいたお祝いを、テーブルの上に置く。

皆からのお祝いの品が山になっているのだ。


「ありがとう、イチイ」


「ありがとうございます」


新婦のエルマは、見れば見るほど美人だ。

流石コヅの一目惚れ。


「あ、そうだ。イチイに折り入ってお願いがあるんだけど」


「あ、働く話?」


「そうそう。俺冒険者続けるし、長い間開けるから、その間エルマを雇ってもらえないかと思って」


知り合いがいない土地で1人留守番はつらいだろう。

マカロンの普及で、1人くらいなら雇えるようにはなっている。

エルマなら宿屋・食堂の仕事もしていたわけで経験者だし、簡単な盛り付けはすぐ出来るようになるだろうから、こちらとしても助かる。


「給金は安いけど、それでも良いなら喜んで」


「全然オッケー。俺が稼ぐから!」


「張り切ってるねー、ダンナ!」


張り切らないわけがないか。


「簡単な盛り付けと、ウエイトレスをお願いします。働き始めたい日が決まったら連絡ください」


「はい、よろしくお願いします」


制服のサイズだけ聞いて用意しておこう。

コヅたちの新居と店はすぐ近くなので、便利である。

エルマのいる日は賄い付きにしてしまおうか。

1人分作るのって面倒だろうし。



新婚旅行という概念がないらしいので、旅行はなし。

一般職であれば2、3日仕事を休みゆっくりするのが一般的だそう。

コヅも冒険者稼業は少しお休みして、エルマとゆっくり城下を観光したり色々買い物したりするらしい。

女将さんたちは明日の朝に城下を発つようだ。


「さてじゃあそろそろ」


「そうですね」


ウェディングケーキを会場に運び込もう。



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