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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第六章
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剣術大会は9位という割と予想通りな成績を残し、終了した。

次のイベントは、結婚式である。

秋も終わりが近付き、リーアたちが城下町に来ている。

結婚式は冬の始め、観光も兼ねて長期滞在のようだ。

女将さんたちは新居の整えやら何やらで忙しいようで、イチイはリーアとミィを預かっている。


話を聞くと、結婚式はガーデン・パーティという印象を受けた。

教会で神父の祝詞を受け、ガーデン・パーティのような結婚式へ移ると。

ブーケ・トスや花嫁の両親の手紙、DVD放映的な催しはなく、単純に皆で新郎新婦に祝いの言葉を投げつつ立食パーティ、のような感じらしい。

御祝儀もなく、皆思い思いの祝いの品物を持ち寄るらしい。

イチイのお祝いは勿論、ウェディングケーキである。

料理が多くなりすぎないよう、女将さんたちには大きなケーキを持ち込むと伝えてあるので、調整してくれるだろう。


「さて、リーア、ミィ、オヤツ食べ終わったらお姉ちゃんのお祝いケーキ、作ろうか」


「うん!」


「つくるー!」






ウェディングケーキと言えばやっぱり段々になったケーキだ。

レストランウェディングだと大きな四角のケーキだったりもするようだが、イチイの中では何となく、段々になったケーキの方が好ましい。

作るのは難しいだろうが、固定魔法があるので大分楽だ。


招待客は約30名と少数だと言っていたので、やや小ぶりのケーキにしよう。

まず一番下の段から作る。


「よし、リーア。卵を泡立てよう。うぃーんってなるから、吃驚して手を動かさないようにね」


「大丈夫!」


魔力を流し、泡立て器が稼働する。

ちょっとびくってなったけど、手は離さなかった。

エライエライ。


「じゃあミィは、粉を振るおうか」


ミィはかしゃかしゃと粉を振るう。

小さい粉振るい器なので何とか使えている。

力が足りないのは魔法でカバー。

本当に魔法って便利だな。


その間に溶かしバターと型を準備しておく。


「イチイねーちゃん、これいつまでやんの?」


「んー、もう少しもったりするまでね」


「わかったー」


「変わろうか?」


「大丈夫!」


粉も振るい終わり、後は卵が泡立つのを待つだけだ。

ミィは疲れたらしく、早々に休憩だ。


泡立った卵に粉を入れ、バターを入れる。

量が多いのでイチイが混ぜる。

2回目はリーアに混ぜて貰おう。

型に流しいれ、焼成。

大きな円が二つ、出来上がった。


「冷ましてる間に、2回目を焼こうか」


ミィはお昼寝タイムに入ったので、トマに任せた。

今度は卵をイチイが、リーアが粉を振るう。

最後にリーアに混ぜて貰い、型に入れ、焼成。

サイズ違いの円を2つずつ、計4つを焼き上げる。


6つの円を並べ、冷ましている間にデコレーションの準備をする。

間に挟む果物をカットし、クリームを泡立てる。

果物は桃と苺、ブルーベリーやブラックベリー、ラズベリーなどだ。

魔法を使っているので、冷えるのは早い。

予めシロップを打っておく。

台座に一番大きな円を置きクリームを塗ってから苺を並べた。

そのまた上にクリーム、同じ大きさの円、クリーム。

側面にも綺麗にクリームを塗る。


「こんな感じで、2段目、塗ってみる?」


「やるー!」


中段は桃を挟んでみた。


「難しいー!イチイねーちゃんみたいに綺麗に出来ない!」


イチイの塗ったものも、そこまで綺麗ではないが、やはり多少の経験はある。


「大丈夫大丈夫」


保冷魔法を掛けつつやっているので、やり直してもクリームがぼそぼそしないのは良い。


「うー!出来たぁ!」


「よし、上出来!上段も行ってみよう!」


「おー!」


リーアが上段で苦戦している間に、中段を下段の中央に乗せる。

少しずれた部分のクリームを均す。

最後に上段を乗せ、ベースは完成だ。


「後はクリームを絞って、果物置いて、側面にマカロンで完成かな?」


最後の仕上げなのでミィが起きるのを待つ。

起きるまでは休憩だ。




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