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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第六章
105/154

103

金属のぶつかり合う音、歓声、汗の匂い。


剣術大会である。


3年生19名、4年生35名、計54名。

特別審査員も迎えての、割と注目度の高い催しらしい。

外部者が多いのだ。

魔法騎士団のスカウトが来ているらしい。

王族も来ているらしく、かなりの賑わい。


「ヒツジ様」


「トゥレ様」


「うふふ、先月振りですわね。ヒツジ様の雄姿を見に来ちゃいました」


「す、すいません・・・早々に負けて」


イチイはまさかの、一回戦敗退である。

一回戦の相手が優勝候補筆頭の4年生だったのだ。

本当に彼が優勝すれば敗者復活戦があるのだが。


「大丈夫ですわ。まだ試合は終わってませんもの」


トゥレはどうやら彼が優勝すると思っているらしい。

去年の試合は2回とも、4年生押さえての優勝だったらしいのでその予想も強ち外れていないと思う。

イチイの目から見て3年ではオースティンが一番の実力だが、彼には劣る。








「イチイ!」


「クライスさん!」


この剣術大会、特別審査員にクライスが招かれていた。

冒険者代表の審査員らしい。


「残念だったなぁ。ま、あいつが優勝するだろうから敗者復活戦があるけどな」


「クライスさんもそう読みますか」


「まぁな」


彼にちらりと視線をやると、大勢に囲まれているようだった。

魔法騎士団の面々も見える。


「魔法騎士団の入団も決まってるし順風満帆だな」


「へぇ」


魔法騎士団は魔法と武器、両方が使える人間が集まる。


「イチイも魔法騎士団に入れる実力あるけどな。やっぱり店?」


「うん。店と道具作りに専念するよ」


「あぁ、そういえば。従業員って募集してる?」


「ん?今はしてないけど、そのうち募集すると思うよ。誰かいるの?」


「あぁ、コヅの嫁。冬に城下で式挙げて、そのままこっちに住むからな」


「そっか。じゃあ式の後にでも話してみる」


「ついでに俺が冒険者引退した後も雇ってくれ」


「はは、オッケー。いつでもどうぞ」



そんなふたりを不機嫌そうに見ている人がちらほらいたが、当の本人は全く気が付いていなかった。











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