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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第六章
101/154

99 イスフェリア城下町

イチイ・モンテ・ハロン・ヒツジ。



あ、全部三文字。



そんな訳でまたもや名前が変わりましたイチイです。

ああ面倒臭い。


子爵位を無理やり押し付けられたため、名前が変わりました。

複数の国に爵位を賜った場合、一番爵位の高いものを優先とするらしい。

「ディ」は基本的に男爵位以下のもの。

子爵では使わないそう。

そしてチガヤ王国では、子爵以上は名前に治める地名が入るらしい。

子爵以上は土地を治めるので、空きがない今、誰の領地でもない山をひとつくれたってわけです。

ハロンの山は半分がイスフェリア、半分がチガヤという山で、分けにくいので領地ではなかったそうで、ちょうど両国の貴族になったイチイにそれが回ってきたというわけ。

これでどこからが領地?っていう争いもなくちょうどいい、と。

そんなんで良いんですか。





遠距離の転移魔方陣は、不可能だと言われてきた研究だったらしい。

よくわからないが何かの誤解があったのか、先入観か。

何も知らないイチイはそれを研究し、ある程度成功。

これはかなりの功績のようだ。

トマとミカは、イチイがわかっていて研究しているものだと思っていたらしい。

それが常識だからだ。

あいにくイチイはこの世界の常識など知らない。

今回はそれが功を為したわけだが。



とにかく、この転移魔方陣は注目の的。

これさえあれば商業は著しく発展するだろう。

魔方陣の研究者が一気に増えた。

話を聞きたいと言って訪ねてくる研究者の対応はすべてミカが行っている。

ミカ曰く、イチイとトマでは不安過ぎる、らしい。


4国すべてを繋げることが出来たため、その国の名産品が手に入り易くなった。

運送費がかなり減った分、単価を下げることが出来る。

一気に下げてしまうと価格破壊、というか他店とのバランスが崩れるので徐々に引き下げる。

他店が魔方陣を使用出来るようになったくらいに、様子を見て下げ始める予定だ。



夏期休暇の課題を終わらせたり、店頭のディスプレイを覚えたての飴細工で秋仕様にしたり。

夏期休暇ももうすぐ終了。


秋には皆、進路を決めて動きだす。

イチイは魔道具を作りながら、菓子屋を営む予定だ。

現状と変わらないため、特に動く必要はない。

だけど周りが慌ただしくなると、やはり落ち着かないだろう。


「進路かぁ」


元の世界では一年生だった。

進路はまだ遠い未来。

戻ったとき、時間はどうなっているだろう。

止まっているのか進んでいるのか。

進んでいるとしたらどれくらい?

こちらと同じ?短い?長い?


イチイの存在はどういう扱いになっているのだろうか。






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