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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第五章
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「それでおかあさんとはどこで会うの?」


「城だ」


「また城・・・まさか!?」


「王妃だ」



またこのパターンか!




身分が高いことは勿論予想済みだった。

しかしレンが王子。

似合わない。


「王位継承順位は元々九位だし、そもそも放棄している。関係ない」


そういう問題だろうか。


もしやあの視線、王子だし有名だからの注目だったのでは。

それに気付くと恥しい。

王子が女連れだ、っていう視線だよね。


「母上がイチイの作った菓子が食べたいからお茶会にすると」


「え」


「城の厨房を貸し出す予定だそうだ」


なんてこった。


「ついでに菓子の作り方を料理人に教授してほしいと」


うわぁ。

それって大丈夫なのか、料理人のプライド的なものは。

こんな小娘に教わるってどうよ。


「大丈夫だろう。他国の菓子の作り方だ、知らなくて当然のことを教わる」


「はーい・・・」


憂鬱だ。









城の厨房は、勿論広かった。

料理長・副料理長・以下5名の7名を前に菓子作りだ。

緊張する。


チガヤのデザートで一番人気はクレームブリュレもどきらしい。

もどきなのはあのカラメル部分がないからだ。

イチイはまず、自分の故郷ではカラメルがぱりっとしていることを伝える。

実際に作り置きのあったブリュレに砂糖を振り火魔法で焦がす。

赤砂糖がないので白砂糖なのはまぁ許容範囲ないである。


チガヤにはゼラチンがない。

そこでイチイはヘーリングの名産であるゼラチンを料理長らにプレゼントした。

これでレアチーズケーキ、パンナコッタの作り方を教える。

チーズケーキも、もっと生クリームをたっぷり使った滑らかなものや、どっしりと濃厚なものとバリエーション豊かに。

プリンやシュークリームなども作る。



その後、庭園の小屋に魔方陣を設置。

実験の結果、店との相互転移に成功した。


「成功したのねっ!」


「はい」


「嬉しいわ、これで色々送って貰えるわ~」


「母上・・・」


どうやら色々送って貰う気でいるらしい。


「うふふ、果実酒、嬉しいわ。飲み終わったら違う味のものを送って頂戴ね」


「は、はい」


「こちらからも乳製品をたくさん送るわ。そうね、自販機も設置したら良いじゃない!」


何でそんなにノリが良いんですか。


「遠距離の転移魔方陣成功だなんて、快挙だわぁ。イスフェリアに男爵位を貰ったっていうのなら。そうね、チガヤは子爵位をプレゼントっ!」


「は・・・」


軽ッ!
















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