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魔法使いの菓子屋  作者: クドウ
第一章
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襲い掛かってくるモンスター。

両手をあげて立ち上がるので隙はある。

知能はあまり高くないのだろう。

ただ隙があるのと倒せるのは別問題だ。

槍の長さは1メートルくらい。腕の長さは1メートルもない。

目測で眼球まで4メートル。純粋に高さだけ考えると2メートル弱。

要するに、だ。

間合いがあると、届かない。

超・接近しないと眼球は狙えないということだ。

しかもジャンプしないと届かないんじゃないだろうか。

それだと力があまり入らず、威力がないのでは。

となると、モンスターに倒れて貰うしかない。

問題はどうやって倒れて貰うかだ。

自然に獣が転ぶことはないので、転ばせるなら罠しかない。

罠を仕掛ける時間はない。

「あ」

逆、だ。

賭けてみるしかない。


槍とショートソード以外の荷物をモンスターの顔面目掛けて投げ捨て、走った。

走る、走る。

目的の場所まで。

普通の大きさの木はモンスターに薙倒される。

出来るだけ、大きくて丈夫そうな木を探す。

周りの木の倍以上ありそうな木があった。

これならば、もしかすると・・・。

それに見つかるまでは少し休めるかもしれない。

急いで登り、息を潜める。

しかしモンスターはすぐそこだ。

ちらりとイチイの姿は見えていただろう、イチイの登る木の下へやって来て、イチイを見上げた。


――――――今だ。


イチイは眼球目掛けて槍を突き出した。

見事命中、痛みで苦しみ悶えるモンスター。

残酷?

そんなこと知るか。まだ死にたくない。

もう片方の眼球目掛けて、槍を突く。

両目を失ったモンスター。絶叫。耳が劈く。

どうやって留めをさせば良い。

方法は一つしか思い浮かばない。もしうまくいけば・・・。

モンスターにも脳はあるだろう、外皮からは貫通しない。

口内から斜め上部に突けば、貫通するかもしれない。貫通しないかもしれない。

イチイは屈伸で勢いをつけ、口内に槍を突いた。




「助かった・・・」



モンスターはやがて、絶叫をとめ、痙攣し、動かなくなった。

消滅はしない。

素材がどこかわからないため、だけど上級モンスター、稼げそうなので死体を分解する。

グロイ、キモイ、そう思いつつも、死にそうになったのに収穫なしは悔しいと、眉をしかめつつも分解を進める。

やがて死体は消滅し、鱗と爪が残った。


「もう、無理・・・」


大木に凭れかかり、あとで荷物の回収に行こうと、束の間の休息を取った。








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