第4話 裏呪術師組織"烏獄"
「くそっ!?こんなのがいるなんて聞いてねえぞ!?」
ダダダダダダダダ!
銃を連射する裏呪術師組織"烏獄"の構成員。もちろん相手は神護綾人(3歳)。
「よっ!ほっ!はっ!」
綾人は銃を連射されながらもそのすべての弾丸を巧みに回避している。
「なるほどなるほど~。身体強化すると動体視力も良くなるのか~」
「こんなのやってられるかよ!?」
そうして構成員の男が銃の連射をやめて走って逃げようとする。
「あっ!それはダメ」
ダン!
逃げ出した構成員の男を逃がさないとばかりに身体強化にて接近。男と綾人は50m以上も離れた地点にいたのだがその距離を一瞬にして詰め寄る。
「すいません!?降参します!?降参しますから!?」
「面倒だから眠っておいてね?」
ドゴン!
降参の言葉を受けるがそれを無視して綾人は男を殴りつける。
「がっ!?」
バタン
こうしてまた1人綾人は無力化に成功した。
「よしよし。だいぶわかってきたかもしれない」
綾人は手に入れたロープにより男を縛り付けて逃げられないように。このようにこれまで気を失わせてロープで縛りつけてを数度繰り返している綾人。
「あと何人いるんだ?ロープの調達をしておいたほうがいいかな?」
綾人は何人の構成員がいるのかわからない。それについて思考しているときのこと。
「こんなことなら何人で来たのかを聞いとけばよかったな」
パシュン!
ガン!
「あ……また釣れた。でも今回は当たりっぽいな」
なにも警戒していないようにショッピングモールを歩いていた綾人。それは敵からすると無防備であり隙だらけに見えた。しかしそれは綾人の罠だった。
綾人は自身が戦闘の素人であるという自覚がある。いくら呪力の扱いに長け呪術が上手く扱えようとも戦闘を習ったことがない。だからこそ綾人は死角から奇襲しようとする相手の気配を読むなんて高度なことはできない。だが"できないのならば全面を守ればいいじゃない"と綾人は思いついた。
「……まさかそこまでに薄く硬度が高い呪力壁が展開されてるとはな……」
そうして男が出てきた。その男は烏獄のボスから直々に子供の拉致を命令されていた男。そしてその男は今までの構成員とは違い銃を持っていない。綾人は男の話しぶりから目的の相手が出てきたことを理解する。
「ねえ?おじさんは呪術師だよね?あの人達のボス?」
「……俺はあの人の側近に過ぎない。だがそんなことをお前が気にする必要はない。理由がわかるか?」「さあ?僕は子供だから難しいことはわからないや?」
子供のふりをしておどける綾人。しかし相手は綾人の異常性を今までで把握していた。それゆえに本気で殺しにかかる。
「お前がここで死ぬからだ!固有呪術【睡霧】!」
またしても突如として発生しだした霧。どうやらこの霧を発生させていたのが目の前の男のようだ。だがこの霧で綾人が眠ることはない。しかし相手の目的は別にあった。
「……視界が……なにも見えない……」
濃い霧が辺りに発生したことで綾人の視界を妨げている。そしてそれは相手の呪術師を見失ったこと指す。すると・・・
ドガン!パリン!
円状に展開している呪力の壁=呪力壁に見えない地点からの攻撃が激突。それは先ほどよりも高威力なようで綾人の呪力壁にヒビが入っている。すると霧に中から男が綾人に話しかける。
「今のでも破壊できないのは素晴らしい。だがお前が俺を捉えられない限り俺の攻撃が一方的に続くぞ?そして俺の呪力弾はもっと威力が上がる」
「……」
「どうした?先ほどまでの余裕は?」
「……」
「ふん。まあいい。お前のその異常性の正体を知りたい気持ちにもなるが我々の障害となるのならお前は死ぬべき『ドゴン!!』どべらっ!?」
バリン!!
突如として放たれた呪力の塊=呪力弾。それによって愉悦に浸り完全に油断していた男は視界が悪かったというのもありモロに受けお店のガラスを割って店内へ。
「いや……さすがにあそこまで一か所でしゃべってたらわかるよ。まあ一発で当たるとは思わなかったけど……」
男は綾人の一撃にて気絶しておりこれで烏獄の人員は一人となった。
「一応ほかのやつよりも強く縛っておくか」
万が一目が覚めた時に備えて呪力にて縄を強化しながら裏呪術師の男の手足を縛る。
「よし!これぐらいしたら大丈夫だろ!」
すると綾人の背後から声が聞こえてくる。
「おいおい。なんの冗談だ?まさか佐反のやつもやられちまったってのか?」
振り向くとそこには男が一人。煙草をくわえて存在していた。
「……気配を感じるようになりたいもんだな~……」
「お前がやったのか?こんなガキに大の大人が全員やられちまったってのか?あの佐反まで?てめえなにもんだよ?天才とかそんなレベルじゃねえぞ?」
「そうなの?ありがとう!ほめてくれて!」
「別に褒めてるわけじゃねえが……まあいいや。とりあえず……」
男は煙草を捨てて綾人を睨む。その一瞬の睨みは綾人に初めての死の危機を感じさせた。
「っ!?」
「死んどけや」
シュン!
するとまるで瞬間移動したかのように一瞬にて男が目の前にやってくる。その手にはいつの間に召還したのか刀が握られていてその刃は綾人の首筋に迫っていた。
ザン!
振るわれる刀。しかしそれによって綾人の首が飛ぶことはなかった。
「おいおい……今のを避けんのかよ。随分と速ええ迅走じゃねえか。 まあでも……その様子だとお前を殺すのに手間はかからなそうだな……」
綾人は刀が首筋に接触する寸前で一瞬にして200m以上離れた地点に移動していた。それは死に危機を感じ取った綾人が無意識に発動した足に呪力を集約し高速で循環させることで起こる短距離高速移動術=迅走。
しかし危機を逃れた綾人はもしかしたら死んでいたかもしれない状況に息が荒く冷汗が流れている。
「ハアハアハアハア!?」
〈なんで俺は生きてるんだ……もう少しで死にそうだった……あいつは今までの奴らとは違う……桁が違う……次も回避できるかはわからない……〉
「そのナリでその強さだから疑ってたが……まさかただ異常なまでに才能があるだけのガキかよ……。てめえをここで殺さねえと俺らの邪魔になりそうだな……」
「ハアハア……ハアハア……」
息は多少は落ち着いてきたがそれでも男に対しての恐怖は消えない。一目散に逃げだしたい気持ちがあった綾人だったが後ろが見えた瞬間にその考えは消えた。
〈お父さん……お母さん……〉
そこには綾人の両親が眠っていた。その2人の顔を見た瞬間に恐怖心で支配されていた心のモヤは消え守りたいと言う感情が綾人に切り札を思い出させる。
「そうだ……もうあれをやってみるしかない……。放つのはさっきの呪力弾のように丸の形状で……」
「なにをするつもりか知らねえが……ここまで離れてたら安全とか思ってんじぇねえだろうな?」
そう男が言うと男は刀を上段に構える。男の刀は固有呪術【炎剣】。炎の性質を持つ剣でありそれを振り下ろすことで男は炎の斬撃を放つことができる。
「死にな……飛炎剣!」
ザン!!
振るわれた刀から炎の斬撃が綾人に飛んでいく。しかしそれと同時に綾人は切り札を発動する。それは最近になりその存在を知ったが本能にて接触を恐れていた代物。
それを扱ったのは歴史上でもたったの一人。かつて存在した現代でもいまだに史上最強の名を関する偉人・安倍晴明のみが扱えたとする星のエネルギーを力に変える固有呪術。その名は・・・
「【星紋】」
ドゴオオオオオオオオオオ!!!!
それはレーザー砲のように光の極砲として男に向けた綾人の手のひらから放出された。その光は一瞬にして炎の斬撃を飲み込むとそのまま地面をえぐりながら男に向かう。
「なっ!?」
それが男の最後の言葉であり男は光の極砲に飲み込まれ塵さえも残らずに消え去った。
「……」
バタン
綾人は星の膨大で荒れ狂うエネルギー=星脈に触れただけで暴走状態となっていたが生命の本能なのか許容範囲を著しく超えていたためか気絶。するとそれによって光の極砲は消えた。地球が滅亡する可能性は消え去った。
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