表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

5

 遠藤ジムでの練習の日々は割愛しよう。本来の本題にはあまり関係しないことだからね。


 初めて試合で勝ったこととか。難しい技を成功させたこととかはこれから話すことには何も関係ない。だから割愛する。


 でもこれだけは言っておく。


 ここでの三年半はすごく楽しかったよ。遠藤さんに怒鳴られながら練習したこととか。


 他の同僚たちと切磋琢磨しながら鍛えていったこととか。さっき話した山田さんもすごく面白い人で。


 稽古がない日でも飯に連れててってくれたりしたよ。


 思い出が詰まってる。かけがえのない思い出が。だからもし聞きたくなったらまた声を掛けておくれよ。


 いっぱいに語ってあげるからさ。


 でも結論から言うと高校に入学したころに辞めてしまったんだ。辞めてしまったと言うのは間違いかな。辞めさせられてしまった。


 破門された。


 一つの大切なルールがあったんだ。それは鍛えた技を競技以外で使わないこと。暴力として一般人に振るわないこと。


 ただそれだけが絶対の掟だったんだけどね。僕はそれを破ったんだ。


 何があったかだって?簡単なことだよ。


 同級生の顎を砕いたんだよ。磨き上げた技を使って。それは僕の人生の中でも三本指に入る過ちさ。思い返すのも苦々しいけど是非とも聞いてほしい。懺悔のためにも。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ