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17 情報交換

「ところで他の3人はなんて呼ばれてるんだ?」


 圭一は気になっていることを聞いた。

噂に疎いこともあって相葉以外の名の知れた生徒を知らなかった。


 また自分もその中に入っているということは向こうも意識する可能性があるということ。

もし馬が合わない場合は何かしら厄介事に巻き込まれることも考えて少しでも情報が欲しかった。


 瑠璃子はふふん、と待ってましたと言わんばかりに鼻から息を吐きながら勿体ぶったような顔をした。


「やっぱり気になるよね。でもこのままじゃ教えてあげない」


 机に頬杖を突きながら圭一の顔をいじわるそうに見つめる。

こちらの反応を楽しんでいるようであった。


「何か条件があるのか?」


「もちろん!情報ってのは交換がセオリーだからね。聞きたいことがあるなら面白い話を私にも聞かせて欲しいな」


 瑠璃子の提案は理にかなっていた。

情報は時には重要な要になることがある。


 事前に知っているか知らないかではまるで結果が変わることだってなくはない。

実際にこのように相手の素性が分からない上で不用意に行動を起こしてはいつ相手の琴線に触れてしまうのか気にしなければいけない。


 わざわざ危ない橋を渡る必要はない。

念には念に情報は掻き集めるべきである。

そういった意味ではこの提案は無視するべきではないと圭一は判断をした。


「けど提供できる情報なんて持っていないと思うぞ?僕なんかが知っている噂なんてとっくに知っているだろうし」


 そこが問題だった。

友人がいない圭一にとって情報とは無縁のものであるしそれを精査する能力もない。

それを噂好きの情報屋からみたら何日も前の情報など化石同然の代物だろう。


 今持っている情報を思い出してみるも思い当たるものがない。

聞きたいものを聞けるチャンスであったがないものはない。

圭一は悔しさを押し殺さながら唸り声をあげる。


「そんな難しく考えなくていいんだよ、情報っていのは知識じゃなくて経験や見たものから仕入れるものだから」


 救いの手を差し伸べられたかのように感じて圭一は顔を上げる。

先ほどの意地悪そうな顔は潜めており、いつもの微笑み顔の瑠璃子がいた。

スプーンを持ち出しコーヒーに沈んだ砂糖をかき混ぜ始める。


「火野くんの経験を聞かせてよ、事件から今日に至るまでを。なんでそんなに強いのかを。」


「いいのか?そんなもので」


「さっき言ったじゃない、情報は経験から仕入れるものだって」


 君がそれを誰にも話していないってことなら独占取材じゃん、と瑠璃子は付け加えた。


 ◇


 どこから話せばいいだろうか。

圭一は悩んだ末に二つ目の質問である『なぜ強いのか』を語ることにした。


「強いと思われているのは喧嘩が強いというよりキックボクシングを習っていたからだと思うな。喧嘩になれている人よりは実践経験はあると思うし」


「ボクシング習ってたなんて全然知らなかったよ。身体付きもそんな風に見えなかったし初めてすぐだったり?」


 瑠璃子は圭一の腰から頭へと順に目で追っていく。

彼女の表情からじっくりと見ても納得のいく答えは出なかったようで晴れた顔はしていなかった。


「8歳のころに通い始めたから大体8年くらい」


「え、そんなに!?そりゃ喧嘩も強いわけね……でもやっぱりまだ納得できないかな」


「普段から重量とか気にしてて増量とかしてなかったからな。本当だったらもっと食べなきゃだろうけど」


 通っていたときは無論真面目に取り組んでいたわけだがプロの選手とは違い競技一筋で働いているわけではない。

あくまでも趣味としてやっており学生の本分をメインに生活をしていた。


 増量や減量などの体づくりが目的ではない。

それは二の次にしていたのは練習やスパークリングが好きでキックボクシングをやっていたからだ。


 身体改造は二の次にして基礎練をメインに行なっていたため身体の変化は通常一般人が想像するような程度にはなかったのだろう。


「同じジムには将来格闘家を目指しているだい大学生も何人か在籍してたけどみんな一条さんが想像しているようなガタイのいい身体をしていたよ」


 今度ジムの場所教えるから見に行ってみなよ、と付け加えた。

話していたからか乾いていた喉をまだ熱いコーヒーで潤した。


拙い文章ですが、読んでいただきありがとうございます!

レビューなど感想を教えていただけると幸いです。

これからは文字数を増やしたいと思いしばらく2日おきの投稿予定になりますがよろしくお願いします!

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