大人から子供へ〜Learn To Communication〜

　高校時代に不良だった経験を持つ30歳のエリート火野圭一は現在の子供達の実情を知る。
『0世代』、ゆとりとZに続く現代の子供達をそう呼んだ。
　少年少女達は重宝されイジメや競争は徹底的に根絶された。その結果、自殺率を大幅に減少させることに成功。だが代償として個性や協調性などコミュニケーションに関係する感性が乏しくなり他人との繋がりすら軽視するようになった。
　この状況を打開すべくある計画が立案される。それは社会経験豊富な大人を子供たちの中に潜入させる計画。しかしそのために必要な若返り手術には残りの寿命の大半を犠牲にしなければならなかった。
　圭一は過去の後悔から未来を捨ててこの計画への参加を決意する。それは失った己の青春を取り戻すためでもあった。
　しかし、現代の子供たちを取り巻く環境は圭一の想像を超えるものであった。