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sweet time  作者: さや
6/10

「…でも、本当にもう秘密にしなくていいの?

からかわれるの嫌なんでしょ?」


「うん…。

だけど、恥ずかしいのは少しだけ我慢すればいいことだし…」


「我慢か~。

僕は、すっごく嬉しいけどね」


「え?」


「これからはいつでも水野さんと話ができるし。

それに、僕の彼女だってみんなに自慢できる」


僕はいたずらっぽく笑った。


「………………」


水野さんは目を大きく見開いて、それからぽつりとつぶやいた。


「……………ずるい」


「え?」


「小崎くんって、口がうまい……」


「ぇえ??」


「……いつも、私ばっかりドキドキしちゃう……」


「え…?そんなことないよ……」


僕は焦って言葉を探す。


「…あ!

でもほら、僕も、水野さんがピアノ弾くのをいつもきれいだな~って見とれてたから、おあいこだよ。ね?」


「え?」


水野さんが驚いた。


「きれいって…曲が、って意味じゃなかったの?」


「水野さんがピアノをひく姿が、だよ」


僕は照れながら笑って答える。


「……………………………やっぱり、ずるい」


またも言われて、僕は困ってしまう。


「え~~~?

だって、本当にきれいなんだよ…」


「だから……。

もう。しゃべっちゃだめ!」


水野さんは僕がなにか言うのを遮って、僕の口の前に右手をだして『やめて』みたいな仕草をした。


「ええ~?」


僕はどうしたものかと困って、ポリポリと頭をかく。


しゃべるなといわれても…

「せっかく今一緒にいるんだから、しゃべりたいんだけど…」


そう言うと、水野さんはじっと僕を見つめてから、うつむいた。

そのまま、顔を上げない。


「……水野さん?」


僕はちょっとかがんで彼女の顔を覗き込む。


「なんで黙ってるの?」


また拗ねてるんだろうか…?

すると、彼女は小さな声で言った。

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