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sweet time  作者: さや


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その後、あの絵のおかげで僕たちはちょっと有名になってしまった。


正直、ここまでになるとはちょっと予想外だったけど。


でも、確信犯な僕は彼女に申し訳なく思いながらも嬉しくて仕方なかった。


「やっぱり二人って付き合ってるんだぁ?」


からかわれて


「うん…」


水野さんは恥ずかしそうにうつむきながらも応えてくれる。


それは、隣にいる僕をとても幸せな気持ちにしてくれた。


――――後日。


僕は加藤と久しぶりに教室でお昼を食べながらしゃべっていた。


あれから僕と水野さんは、周りの目を気にせず毎日一緒にお昼を食べている。

でも、今日は彼女が久しぶりに友達と食べるというので僕もそうした。



「しかし、お前も意外と大胆だよなぁ…」


パンを食べながら加藤が文化祭の話を始めた。


僕はちょっと焦ってパンを喉に詰まらせそうになりながら答える。


「ゲホッゲホッ…。

……お前には、言われたくない」


「知ってるか?

お前ら今この学校で一番ホットなカップルって言われてるんだぜ」


「……………」


「今じゃあ二年の中で知らない奴はほとんどいないんじゃねぇの?」


「……そうかな?」


「だいたいさぁ、あの絵を描き始めたのって、水野さんに秘密にしなくていいって言われる前だろ?」


「………………」


「お前もひどいやつだよな~」


「いや、あれは……最初は顔はごまかして描くつもりで……」


「でもあの大きさでその言い訳は通じないだろ…」


「………………………」


そうなのだ。


確かに僕の描いた絵は、ほとんど等身大ってくらいの大きさで、顔もかなり大きく描かれていて…

とても『顔をごまかして描くつもり』なんて言い訳が通用するものじゃあなかった。


僕は焦って言葉を探す。

が、思いつかない。


「いや………えっと…だから………。

あ~~もう、わかったよ!

そうだよ。

確信犯だよ!悪いかっ!」


僕は開き直って言った。


「だってさ。水野さん」


加藤がにこやかに僕の後ろに笑いかけている。


……………………。

まさか……。


嫌な予感がして、僕は恐る恐る後ろを振り返った。


「…水野さん!」


水野さんが僕のすぐ後ろで額に青筋を立てて立っていた…!

やばい…………。


「もう!

小崎くんの……バカぁ!!」


彼女は怒ってズンズンと教室を出て行ってしまう。


「うそ!待って!

マジでごめん!!

水野さん~!」


僕は慌てて後を追いかける。


加藤のやつ~~~!

覚えてろよ!!


僕は心の中で加藤に悪態をつきながらも、急いで水野さんを追いかけた。

今はあいつを恨んでる場合じゃない。


「ちょっと待って!

頼む!話を聞いて……」


水野さんは振り返りもせずにズンズンと廊下を歩いて行く。


「…ごめん!

ごめんなさい!!

僕もすごい悩んでたんだよ~」


なおもズンズンと廊下を歩いていく水野さんに、僕は回り込んで言う。

情けないが、もう平謝りするしかなかった。


「………………………」


僕を睨みながらの長~い沈黙の後、水野さんはようやく口を開いた。


「う~……。

しょうがないから、許してあげる…」


口をへの字に結びながらも、彼女からお許しがでた。

やった!!


「良かった~!

水野さん、ありがとう!」


僕は安堵して水野さんをぎゅ~っと抱きしめた。


「!!」


彼女はいきなり抱きしめられて、赤くなりながら慌てている。


「………ちょっ………こんなところで…………離してぇ………」


水野さんが頼むので、僕は腕の力を少しだけ緩めた。


「水野さん、大好きだよ…」


僕はちょっぴり照れ笑いをしながら、水野さんの耳元で囁いた。


水野さんは真っ赤になって耳を押さえながらつぶやく。


「……………………やっぱり、小崎くんって…………ずるい…」


「ええ~?

だって、本当のことだよ?」


「……もう、恥ずかしいから止めてってばぁ………!」



そんなこと言われても、水野さんのことが好きすぎて僕にもどうしようもないんだよ。


僕は、彼女を抱きしめる腕をなかなか解いてあげられなかった。


僕たちは他の生徒が遠巻きに観ている中、しばらく廊下でじゃれあっていた。


大好きな彼女と人前でこんな風に一緒にいれるなんて…。


僕はとても幸せな気持ちで、腕の中で真っ赤になっている水野さんを、もう一度ぎゅっと抱きしめた。


ごめんね…。

もう少しだけ、このまま………。





この後、僕は加藤から『学校で一番ホットなバカップル』と訂正されることになる………。




end

~あとがき~

いつも応援していただきありがとうございます。

chocolate timeの続編、いかがでしたでしょうか?


今回も、お互い相手に振り回されていた二人。

最後はバカップルになってしまってる小崎くんと水野さんでした。

でも、付き合い始めの恋人ならこれくらいは普通ですよね?ね???



この二人のお話は機会があればまだまだ続けていきたいなぁと思ってますので、どうか最後まで見守ってやってくださいね。



みなさんからの感想やお叱りの言葉、お待ちしています。


それではまた、次のお話もよろしくお願いします。


H22.10.28   さやぽこ

R24.8.22 転記

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